【少女マンガのトリセツ】もどかしい男子に夢中? 咲坂伊緒ワールド3つの魅力
少女マンガ好きが講じて、少女マンガの番組を持ち、はては漫画家アシスタントとしても活動する少女マンガ芸人、別冊なかむらりょうこさん。少女マンガを愛し、少女マンガを知る彼女だからこそのレビューをお楽しみください。
咲坂作品の真骨頂『思い、思われ、ふり、ふられ』

ワタナベエンターテインメント所属の少女マンガ芸人、別冊なかむらりょうこさん。少女マンガ好きとして、オススメの少女マンガのレビューや番組のMCを務めるほか、多くのマンガ家との対談も行っています。今回は新生活に合わせて読んでほしい「咲坂伊緒」作品と、その3つの魅力を解説します。
入学や新生活の春。ぜひこの季節に読み始めたい作品が、咲坂伊緒先生の『思い、思われ、ふり、ふられ』(別冊マーガレットにて連載中。既刊11巻)。
少女漫画を普段読まない人でも、咲坂作品を知っている方は多いのではないでしょうか。新刊が出るたび各書店のランキング上位を飾り、今回の作品も、昨年の第63回小学館漫画賞少女向け部門を受賞、現在累計450万部発行と大ヒットを記録中の作品です。現在でも幅広い年齢層の少女たちから支持され続けています。
前作品『ストロボ・エッジ』『アオハライド』(共に別冊マーガレット)は、どちらも映画化されています。『ストロボ・エッジ』は、翌2015年に福士蒼汰さんと有村架純さんの主演で映画化され、同作品に登場する「壁ドン」はその年の流行語大賞にもノミネートされました。
『アオハライド』は、2014年に本田翼さんが主演をつとめました。そんな”恋愛パワーシチュエーション”の咲坂伊緒先生の作品には、どんな魅力があるのでしょうか。
●魅力その1 設定を聞いただけで、「もう何かが起こる!」という期待に胸が暴発しそうになる!
『思い、思われ、ふり、ふられ』(集英社)略して『ふりふら』は、高校入学を前にひょんなことから出会った、全く恋愛観の異なる2人の少女が友情を深めながら、それぞれの恋愛を応援していく青春ストーリーです。
そう、2人の少女のどちらもが主人公なのです。1人目の主人公は、少女漫画のような恋愛に憧れるも、消極的な性格の恋愛未経験女子・由奈。2人目は恋愛に積極的で現実的な恋愛を楽しむ美人女子・朱里。
そして、相手役となる男の子も、2人登場します。由奈の幼馴染の、天然で恋愛興味ない系男子・和臣。イケメンでモテるも、叶わぬ恋愛の経験をした、朱里の義理の弟・理央。
主人公が2人。対する男の子も2人。うち2人は幼馴染で、2人は義理の姉弟。全員同じ学校、全員同い年、そして全員同じマンション。誰と誰が恋をしてもおかしくない。だけど、全てが上手くいくわけじゃない。そんな出会いが春に始まる。
つまり、毎話トキメキのクライマックスな、青春カルテットラブストーリー!というわけであります。