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【韓国アニメ時報】「盗用」続いた、コリアンロボットアニメの暗黒時代

独自の歴史を歩んできた韓国アニメの特色と背景に迫る「韓国アニメ時報」。連載第1回で取り上げた『テコンV』に続き、日本のロボットアニメからの「盗用」が多く見られる80年代のロボットアニメについて紹介します。

一部にはキラリと光る作画や演出も

「バミュダ5000年」(画像:かに三匹)
「バミュダ5000年」(画像:かに三匹)

 独自の歴史を歩んできた韓国アニメの特色と背景に迫る「韓国アニメ時報」。1976年の『ロボット テコンV』に続き、今回は1980年前後の韓国ロボットアニメについて紹介します。

 実は、この時期のロボットアニメは残念ながら見るに堪えないものが多くあります。日本アニメからの「盗用」も多くあり、ある意味韓国アニメの暗黒時代といえるでしょう。

 しかし、観ていて楽しい作品も少なくありません。まずは『テコンV』と同年の1976年には『鉄人007』という劇場アニメが公開されました。このアニメ映画はスパイものの要素を色濃く反映しているのですが、設定は日本のアニメからの「盗用」で成り立っているという代物です。

 タイトルの007については言うまでもありませんね。主役は『科学忍者隊ガッチャマン』からの「盗用」(しかし人数が4人と、1人減っている)。主人公が乗り込むロボットは『大空魔竜ガイキング』から、主人公の基地の設定は『ブロッカー軍団IVマシーンブラスター』からの「盗用」、といったものです。

 しかも音楽はピンク・フロイドからの「盗用」です。韓国のネットでは「音楽だけは一流」と皮肉られていました。こう書くと、非常にあきれるばかりの作品だという印象を読者に持たれてしまうでしょうが、残念ながらその通りなのです。

 似せない努力はしているのですが、そこが逆にパチものっぽさを醸し出しています。また、ピンポイントでセンスのある場面が出てくるのが困りものです。

 例えば冒頭。爆発の煙が輪になって、それがタイトルの『鉄人007』に変形して背景から日が昇るというタイトル場面は非常に格好のよい映像でした。また助けた敵の女性が裏切って最後に主人公を助けて死ぬという展開は、ベタながら燃えました。なお、劇中に登場する世界地図には日本は描かれていません。
 
 次に取り上げるのは1978年の『走れ マジンガーX』という作品です。タイトルからして怪しい響きを持っています。もちろん日本のアニメ『マジンガーZ』のタイトルからとられたのでしょう。主役ロボットのマジンガーXは「マジンガーZ」の続々編の『UFOロボ グレンダイザー』からの「盗用」で、東部の角が4本から2本に減っているのがパチものっぽさを強調しています。

【画像】80年代韓国ロボットアニメに影響(?)、国産アニメの名作たち(5枚)

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