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韓国CGロボットアニメ映画の「長い空白」、その直前に生まれた試行錯誤の2作品

現在、韓国ではCGロボットアニメがブームになっていますが、それらの起源ともいえる2本のCGアニメ映画がありました。興行的には成功とはいえなかったものの、それらの映像には現在のブームにつながる試行錯誤が見られました。

1999年公開、フルCGで作られた『鉄人四天王』

『鉄人四天王』のVHSパッケージ
『鉄人四天王』のVHSパッケージ

 1980年代まで数多く製作されていた韓国の劇場ロボットアニメは、1990年代~00年代にめっきり数が減少しています。
 
『ウレメ』シリーズのような「実写(特撮)+アニメ」の作品が増えたことも一因ですし、『虹の戦記イリス』や『装甲救助部隊レストル』、『幻影闘士バストフレモン』『RUN=DIM』『さいころボット コンボック』といった日本でも放送された作品がいくつもありますが、ロボットアニメの活躍の場所が徐々にTVへと移っていったことも要因として挙げられます。

 他にも、『魂騎兵ラゼンカ』や『出動! ロボットV』、『サイキックス』といったTV向けロボットアニメが作られています。

 現在から見て興味深いのは、『RUN=DIM』や『サイキックス』『さいころボット コンボック』のように、2000年代の比較的早い時期に3DCGでTVシリーズが製作されていることです。現在の韓国では、国産ロボットアニメが繁栄しています。それらは『トボット』や『カーボット』など、3DCGで作られている作品がほとんどです。

 現在の韓国ロボットロボットアニメのブームは突然発生したわけではなく、その先駆けとなる作品があります。それが、ロボットアニメ映画『鉄人四天王』と『エリシウム』です。アニメづくりにおいて先鋭的なチャレンジがなされることが多い劇場アニメとして、この2作品を取り上げたいと思います。

『鉄人四天王』は1999年に公開されました。韓国初のフル3DCGロボットアニメです。仏教的なモチーフが散りばめられ、登場する「鉄人四天王」という4体のロボットはなんと『西遊記』の三蔵法師が残した設計図を基に建造された……という設定です。

 戦う相手も、三蔵法師が封印していた妖怪が、自らを半分ロボット化してよみがえったというものです。主人公たちは普段はカーレースチームとして活躍し、妖怪が襲ってきたときにはロボットに乗り込んで戦います。設定だけ聞くと、非常に面白そうに感じます。劇場公開後に全26話でTVシリーズも予定されていました。

 しかし、興行的には大失敗したといいます。TVシリーズの制作もなくなってしまいました。

【画像】空白期間を経てブームへ! 韓国のCGロボットアニメたち

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