ファミコンの性能を「限界突破」した名作コナミゲーム・3選 工夫と力技がスゴい!
ピコピコ音からパワーアップ! FM音源を実現させたファミコンソフト

●ラグランジュポイント(1991年4月26日発売)
ファミコンの内蔵音源と聞いて「ピコピコ音でしょ?」とイメージする方はかなり多いと思われます。しかし1991年にリリースされた『ラグランジュポイント』は、ファミコンソフトでありながら「FM音源」を奏でることに成功したのです。
FM音源は、俗にピコピコ音と言われるPSG音源よりも多くの音数を扱えることで一世を風靡し、ビデオゲーム市場にも多大な影響を与えました。従来ならば、ファミコン単体ではFM音源を鳴らすことは叶いませんでした。
ところが、ファミコン関連の攻略情報を取り扱った雑誌「ファミリーコンピュータMagazine」とコナミがタッグを組んで生まれた『ラグランジュポイント』は、『悪魔城伝説』に搭載されたVRCよりもさらにパワーアップした特殊チップを内蔵。この仕様により、本来ならファミコンソフトで聞けないであろうFM音源の発音が実現した……というわけです。
ただし、同作品はVRCを積んでいる以上、市販のファミコン互換機ではまともに動かすことができません。また、FM音源を奏でられるVRCは運用される機会が無かったのか、その後日の目を浴びることもありませんでした。そうした事情を踏まえ、『ラグランジュポイント』はコナミの職人魂が込められた唯一無二の作品だと言えるのではないでしょうか。
(龍田優貴)