「心エグられた」スクウェアRPGの三大トラウマイベント 恋人の変わり果てた姿に絶望
主人公の恋人を襲った悲劇の結末

●宿敵に利用された恋人の身体
大国間のにらみ合いや植民地問題、軍需産業の暗部をシミュレーションRPGへと見事に落とし込んだ『フロントミッション』(スーパーファミコン)。1995年2月24日の始動からナンバリング作品が多数リリースされている人気シリーズで、スーパーファミコン版は後に「フロントミッション・ザ・ファースト」へと名称を変えて複数のリメイク版が誕生しました。
そんな第一作目でプレイヤーを驚愕させたのが、「カレンデバイス」と呼ばれるアイテムです。同シリーズでは兵士が乗り込む機動兵器「ヴァンツァー」が一般化していますが、カレンデバイスはヴァンツァーに取り付けるCPUとして登場。作中では、主人公が数度相まみえる宿敵・ドリスコルのヴァンツァーへ搭載されています。
上述の通り、『フロントミッション』ではゲームを進めるにつれ、戦争の陰で暗躍する支配階級の蛮行が明るみになっていきます。優れた兵士の経験をそのままCPUへ転用する、つまり「人間の脳を取り出して部品の一部にする」という非人道的な企みもその一部。
主人公は敵対国の実情を探る一方、かつての任務中に行方不明になった恋人のカレンを血眼で探していたのですが、願いもむなしくカレンが生体CPUへ利用されたことを作中で知ってしまいます。
「どこかでカレンにまた会えるかもしれない」という微かな希望を胸に生きてきた主人公。しかし現実はあまりにも酷く、目に入ってきたのは物言わぬ機械の一部と成り果てたカレンの姿でした。そこに追い打ちをかけるのが、ゲーム終盤のミッションで主人公を待ち構えていたドリスコルです。
「ここにはカレンもいる。一年前のままだ」、「カレンは、おまえなどにはもったいないほど素晴らしい女だ」。主人公をあざ笑い、辛苦に耐えて歩み続けたプレイヤーの心情を逆撫でするには十分すぎるセリフだと言えるでしょう。ドリスコル撃破時に映し出される入手メッセージ「アイテムを入手しました カレンデバイスBD-6Kr」が醸し出す寂しさも含め、『フロントミッション』を語る上で欠かせないイベントとして挙げられます。
(龍田優貴)


