【まさかの展開】ラスボスになってしまった名作RPGの主人公たち 絶望の果てに「人類滅亡」をはかる
人類に絶望した神の半身

●フォウル
最後にご紹介するのは、カプコンが誇るRPG『ブレス オブ ファイアIV うつろわざるもの』(以下、BOF IV)作中で、「うつろわざるもの」と呼ばれる主人公「フォウル」です。
同作品におけるもうひとりの主人公「リュウ」と対をなす存在ですが、フォウルは神の立場から人間の立ち振る舞いを快く思っていません。くわえて、フォウルが本編で歩む道は苦難の連続です。一度は人間に歩み寄ろうとするも、それさえも叶わず悲惨な運命をたどることになります。
リュウが旅程で仲間と心を通わせていたのに対し、フォウルは天涯孤独のまま、ついには人類そのものを根絶することを決意します。暴竜「タイラント」へと変貌し、リュウを含む主人公パーティーへ襲いかかります。
なお『BOF IV』はマルチエンディングを採用しているため、選択次第ではフォウルがリュウを取り込み、プレイヤー自身の手で仲間を葬り去らなければならない、という展開もあります。フォウルとリュウのどちらに感情移入するか。勧善懲悪ではなく、世界のあり方をどのように変えるかは、文字通りプレイヤーの手に委ねられていたのです。
(龍田優貴)