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宝塚が『悪魔城ドラキュラ』の世界観を華麗に拡張! 混血ヴァンパイアの悲しき宿命描く

2025年8月15日に行われた『ミュージカル・ロマン「悪魔城ドラキュラ」~月下の覚醒~』と『Romantic Revue「愛, Love Revue!」』のゲネプロレポートをお届けします。

キャラクターや世界観の魅力を膨らませたオリジナル展開

ドラキュラ伯爵と人間の間に生まれた主人公、アルカード(演:永久輝せあ)のシーン(マグミクス編集部撮影)
ドラキュラ伯爵と人間の間に生まれた主人公、アルカード(演:永久輝せあ)のシーン(マグミクス編集部撮影)

 2025年8月16日から9月28日まで、東京宝塚劇場にて『ミュージカル・ロマン「悪魔城ドラキュラ」~月下の覚醒~』(以下、月下の覚醒)と『Romantic Revue「愛, Love Revue!」』(以下、愛, Love Revue!)が上演されています。8月15日に報道陣向けに公開された通し舞台稽古(ゲネプロ)などの内容から、その舞台の魅力をお伝えします。

『月下の覚醒』は、マップ探索型のアクションRPGとして人気を博した『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』を原作にした作品です。『月下の覚醒』も原作と同様に、前作『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』の最終決戦から幕を開けました。ハチマキ姿が印象的な「リヒター・ベルモンド」(演:聖乃あすか)が、華麗にムチで戦います。激闘の末、幾度もよみがえっては人びとを恐怖させていた悪魔城の城主「ドラキュラ」(演:輝月ゆうま)が討伐されたものの、人間の世界では混乱が続いていました。

 続いて登場したのは人間の母「リサ」(演:朝葉ことの)と、ドラキュラの間に生まれた青年「アルカード」(演:永久輝せあ)です。彼は何百年も眠りと目覚めをくり返し、復活した父を討伐する宿命を背負っています。ある日アルカードは、リヒターとともにドラキュラを倒したヴァンパイアハンター「マリア・ラーネッド」(星空美咲さん)と運命的な再会を果たしました。

 本作はアルカードとマリアを中心に据えたオリジナルストーリーではあるものの、原作の印象的なシーンやセリフも織り交ぜられています。時代背景やキャラクターの過去がじっくり描かれるため、言動の真意が自然と伝わってきました。

 なかでも、母の遺言を守り人間を守り続けるアルカードの葛藤は見どころです。彼の背負う哀しさや宿命は、セリフだけでなく歌でも表現されています。ときに朗々と、そしてときに繊細に歌い上げる永久輝さんの表現力は、公演の注目ポイントになるでしょう。

 また、マリアがアルカードを「放っておけない」と思うようになるまでの過程も掘り下げられています。マリアの戦闘力の高さだけでなく、心の強さも星空さんの歌や演技に表れていました。ちなみに、マリアがアルカードに託すアイテムは形状も原作通りで、嬉しい驚きを感じること間違いなしです。

 終盤の悪魔城での戦いでは、原作で印象的だった「逆さ城」も再現しています。舞台の隅々まで使って展開されるリヒターとの戦い、そして宿命の親子対決など、息もつけない展開が続きました。キャラクターたちが戦う理由や、つかみとった答えが、作品全体を通して提示されています。

ゲームの名曲に歌詞が? 音楽の使われ方も嬉しい

インタビューに応える、アルカード役の永久輝せあさん(左)とマリア役の星空美咲さん(マグミクス編集部撮影)
インタビューに応える、アルカード役の永久輝せあさん(左)とマリア役の星空美咲さん(マグミクス編集部撮影)

『月下の覚醒』は、「ドラキュラ城」「Vampire Killer」「夜曲」などの原作音楽が随所に使われているのも、ファンにとって嬉しいポイントでしょう。しかも、ほとんどの曲はオーケストラの生演奏で味わえます。また「血の涙 -Bloody Tears-」や「失われた彩画」などは、歌ものとしてアレンジされています。リヒターと彼の恋人の「アネット」(演:美羽愛)、アルカードやマリアの心情が反映された歌詞にも注目です。

『月下の覚醒』で物語に浸ったあとは、『愛, Love Revue!』で、役者や宝塚そのものの魅力を堪能できます。まばゆいライトや煌(きら)びやかな衣装、そして観客の心を釘付けにする表現力は圧巻です。初めて宝塚に触れる人の期待も裏切らない、王道のステージといえるでしょう。

 ゲネプロ終了後、アルカード役の永久輝さんとマリア役の星空さんの取材が行われました。

 自身が演じる役への印象を尋ねられると、永久輝さんは「ヴァンパイアと人間の血が両方流れているといったロマンも詰まっていますし、優しさと強さを両方持った人物として、とても魅力的に感じています」、星空さんは「マリアはとても明るく活発で、心優しい部分もあります。アルカードさんに対してもヴァンパイアと人間のハーフとしてではなく、人として接している。そんな彼女の優しさに、たくさんの勇気と力をもらっています」と答えました。

 また、役作りに関して永久輝さんは「アルカードがどういう想いを抱えている人物なのか、なぜ悪魔城に向かい、どのような想いで父と対峙するのかなど、内面的な部分を大事にしました」。星空さんは「宝塚の娘役の私がマリアを演じる意味は、品や美しさがにじみ出るから。マリア役としても、娘役としても、自分自身を磨きながら演じています」と、コメントしています。

 宝塚ならではの表現で、『悪魔城ドラキュラ』シリーズの新たな魅力を引き出した『月下の覚醒』は、9月28日(日)の千秋楽公演で映画館での「ライブビューイング」やネット配信が予定されています。詳細は宝塚歌劇公式サイトなどをご確認下さい。

(ハシビロコ)

【画像】華麗そして美麗! これが宝塚が描く『悪魔城ドラキュラ』の舞台です(5枚)

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ハシビロコ

アニメとハシビロコウを愛するフリーライター。 アニメ好きの両親のもとに生まれたオタク2世で、大切なことはだいたいアニメに教えてもらった。子どもの頃のバイブルは『カードキャプターさくら』と『コードギアス 反逆のルルーシュ』。大人になってから特撮にもハマり、『ウルトラマン』『仮面ライダー』『スーパー戦隊』が毎週の楽しみになっている。

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