とんちナシで迎えた『一休さん』ラスト 「感動的」「不気味」最終回に意見分かれる
TVアニメ『一休さん』の最終回は「不気味」「トラウマ」と言われることもあります。どのような内容だったか振り返ってみましょう。
ラストシーンのBGMはお経!?

TVアニメ『一休さん』は、放送開始から今年で50周年を迎えます。「ひと休みひと休み」というアイキャッチや、耳に残るオープニング曲、「このはしわたるべからず」をはじめとする有名なとんちのエピソードが記憶に残っている人は多いでしょう。
1975年から1982年まで全296話がお茶の間に流れましたが、最終回はどのような話だったか覚えているでしょうか。視聴者から「不穏」と言われることもあるラストを振り返ってみましょう。
最終回となる第296話は「母よ!友よ!安国寺よ!さようなら」と、別れを感じさせるサブタイトルです。「一休さん」が修行のための旅立ちを決意し、実際に旅に出るまでの過程が描かれました。冒頭から一休さんは何かに悩むような表情を見せており、終始シリアスな雰囲気が漂うエピソードです。
「外観和尚」の計らいで、母「伊予の局」とともに過ごす時間をもらった一休さんは、修行を決めた理由を打ち明けます。安国寺にいたままでは周囲に助けられてしまう、幸せな環境ではなく厳しい世界のなかで修行をしたい、と一休さんは語りました。
伊予の局も一休さんの気持ちを尊重し、修行に出ることを許可します。決心を揺るがせないよう、ほかの人には打ち明けないまま旅立とうと決めた一休さんは、これまで世話になった人に心のなかで別れを告げていきました。
そして旅立ちの日、誰にも見られないよう夜明け前に一休さんは外に出ます。するとそこには友人の「さよちゃん」や、「秀念」をはじめとする小坊主たちの姿がありました。修行に出ないでほしい気持ちと、一休さんの無事を祈る気持ちから、一同は涙を流します。
その直前には、さよちゃんが小袖で作ったてるてる坊主を一休さんに手渡し、自分だと思って大事にしてほしいと想いを託す場面もありました。周囲の温かさに触れ、本当は安国寺に留まっていたいと思う一休さんでしたが、泣きながら旅立っていきます。
最後は振り向かず、日の出に向かって歩いて行く一休さんのカットが映し出されました。BGMの代わりに流れたのは般若心経で、画面が真っ暗になったあとも音の余韻が残されています。
このお経のインパクトが強かったため、「不気味」「怖い」「トラウマ」と記憶に残っている人も見られました。一方で「最終回で涙した」という人もおり、お茶の間で長年ともに過ごした一休さんと別れなければならない視聴者の寂しさも伝わってきます。
ちなみに『一休さん』は最終回だけが暗いわけではなく、シリアスな話もたびたび登場していました。例えば第20話「おっぱいと兄弟げんか」はタイトルだけ見るとユーモラスな印象を受けるでしょう。
しかし後半では、寂しくなってつい会いに行ってしまった母親から拒絶され、絶望した一休さんが琵琶湖で一生を終えようとするシーンもあります。コメディからシリアスまで、幅広い作風を持っているのも一休さんの魅力です。
大人になってから見ると心にしみる部分も多いため、とんち以外の部分にも注目して復習してみてはいかがでしょうか。
(ハシビロコ)



