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『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝』 綴る想いを受け止めた、観客席の拍手

細部まで綿密に描かれた世界だからこそ、伝わる「想い」

2019年9月6日から公開されている『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝ー永遠と自動手記人形ー』は、ぴあ映画初日満足度ランキングで第1位を獲得 (C)暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会
2019年9月6日から公開されている『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝ー永遠と自動手記人形ー』は、ぴあ映画初日満足度ランキングで第1位を獲得 (C)暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 TVアニメ版の放送時から、同作で描かれている世界の美しさには定評があり、日本のみならず、世界中から大きな反響がありました。劇場で披露された『外伝』も、素晴らしい映像の数々でした。

 特に、自然の描き込みは必見。太陽光が隙間から入ることででき上がる影と光のコントラスト、水面や磨かれた床面に光が反射している様子など、細部まで描かれています。風の表現も、吹いた瞬間にどの方向から、どの程度の強さなのかがわかるくらいに木々や髪が細かく動き、制作した京都アニメーションの力の入れ具合と丁寧な仕事がわかる作画となっています。

 設定についても、目を見張るものがあります。作品の舞台は1900年代の前半から中期ごろですが、ヴァイオレットの義手は現代のテクノロジーを超えています。しかしそれが、上手に調和がとれていて違和感なく成立しています。「手紙の代筆」というのも現代的でもあり、どこか懐古的でもあるのです。

 2019年7月18日(木)に、とても痛ましい事件が起こりました。京都アニメーションの第1スタジオに男が侵入して放火したことで、多大な被害が出ました。この『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝ー永遠と自動手記人形ー』が完成した翌日のことでした。制作に携わった方のなかには、事件の犠牲者も含まれています。京都アニメーションは公開に先立ち、「災禍に見舞われたスタッフを含め、制作に参加した全員の生きた証しです」とコメントしました。

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』には一貫したテーマとして、「人が人を思う気持ち」、その想いを「言葉にして届ける」というものがあります。

 ヴァイオレットが手紙に込めたいくつもの「想い」が届けた人の心に刻み込まれていくように、この作品に込められた「想い」も、観た人たちに刻み込まれていくのだと思います。筆者が鑑賞した映画館でも、上映終了後に大きな拍手が起こりました。3週間という短い上映期間ですが、ぜひ劇場に足を運び、綴られた「想い」を感じとってみて下さい。

(二木知宏)

【画像】「鋭意制作中」で期待集める、『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(5枚)

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