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「聞いたよ」の声がなぜ続出? 映画で使われなかった安田成美「風の谷のナウシカ」の真相

スタジオジブリの公式回答は?

 「STUDIO GHIBLI 7inch BOX」(徳間ジャパン)に収められた「風の谷のナウシカ」ジャケット
「STUDIO GHIBLI 7inch BOX」(徳間ジャパン)に収められた「風の谷のナウシカ」ジャケット

 知人の映画館関係者に話を聞いたところ、「当時のアニメ作品は公開ギリギリまで手直ししていたので、遠方の劇場には0号、初号、関係者試写用のプリントが配送された劇場があったかもしれない」のだそうです(0号とは、関係者がチェックを行うための試写のこと)。また、劇場に安田成美の曲のテープが宣伝用に送られていれば、映写室から独自にエンディングにあわせて曲を流すことも技術的には簡単だということでした。

 0号試写で安田成美さんの曲がエンディングで流れたバージョンを観た宮崎監督や高畑プロデューサーが激昂して差し替えを要求、しかし差し替えが間に合わなかったプリントが地方などの映画館で上映された……という説明なら、成り立つかもしれません。

 しかし、実際には宮崎監督が自ら作詞、久石譲さんが作曲したオリジナル主題歌の制作が試みられています。ちょうど来日中だったスーダンの弾き語りミュージシャン、ハムザ・エル・ディーンに歌唱してもらう予定でしたが、何度やってもうまくいかずに時間切れとなり、現在の「風の伝説」バージョンになったといういきさつがあります。ギリギリのスケジュールとはいえ、それでもオリジナル主題歌の制作ができるぐらいの早い段階で宮崎・高畑コンビは「NO」と言っていたわけなので、「0号試写で~」という説明は成り立ちません。

 ハフポスト日本版がスタジオジブリに問い合わせたところ、「(安田成美さんの曲は)映画本編では流れなかったということでいいでしょうか?」という質問に対して「はい」という回答が寄せられました。これが公式回答ということになります。

 ただし、地方の映画館主が独自の判断でエンディングに安田成美さんの曲を流したという可能性がゼロとも言い切れません。今なら到底あり得ませんが、当時は映画館も多く、勝手なことをする館主(あるいはバイト)がいたという可能性もなくはないのです。

 公式は否定しましたが、安田成美さんの「風の谷のナウシカ」がエンディングで流れたのを観た全員が記憶違いをしているのか、それとも本当に流れた映画館があったのかは、永遠の謎だと言えるでしょう。

 ただひとつだけ確かなのは、安田成美さんが歌う「風の谷のナウシカ」は当時のアニメファンには不評だったかもしれませんが、『風の谷のナウシカ』が公開されて約40年経った今でも聴かれ続けている、素敵な曲だということです。

(大山くまお)

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