80年代ラグビー漫画『ウォー・クライ』は、日本vsオールブラックスの激闘を予言?
落ちこぼれラガーマンたちが編み出した必殺技

扶桑高校の初めての練習試合の相手となるのは、全国大会の常連校である堂園高校でした。熱血漢のスタンドオフ・叶闘志也を主将に選んだ扶桑高校は得意のラフプレーで堂園高校に立ち向かいますが、堂園高校の熟練された組織プレーにはまるで歯が立たず、200点近い大差で破れます。「ラグビーは紳士がやるもっとも野蛮なスポーツといわれているが、けっして野蛮人のやるスポーツではない」と堂園高校からは酷評されてしまいます。
それまで負け犬人生を甘んじて受け入れてきた叶たちでしたが、屈辱的大敗を喫したことから怒りのはけ口をラグビーの練習に向けるようになっていきます。
その後もニュージーランド高校選抜、オリンピック級のスーパーアスリートたちを集めた女性チーム、扶桑高校以上のワルがそろった少年院チームといった超個性的な強敵との練習試合が続きます。高体連からの正式な認可が降りず、公式戦はなかなか組まれない扶桑高校ですが、練習試合とはいえ真剣なプレーの応酬の中で、小柄だけど俊敏な快速ウィングのネコ、「ハゲ」と呼ばれると怒りのパワーを発揮する巨漢ロックのクマなど、扶桑高校の15人はそれぞれの個性を大いに発揮していくようになります。
圧巻なのは堂園高校とのリターンマッチです。その後も東京都大会で優勝を遂げ、強さに磨きをかけた堂園高校に、扶桑高校は必殺技「アマゾネス」で逆襲を挑みます。監督のあだ名を付けたこの必殺技は、FWもバックスも合わせた15人全員がひと塊となって攻撃し、トライを狙いにいくというものです。
死人が出る恐れもあるほどの突破力と破壊力があるのですが、相手にボールを奪われると逆にいっきにトライを決められてしまう両刃の剣のような戦法です。落ちこぼれラガーマンたちの意地と負けん気が、共に流した汗と涙によってバインドされ、ひとつの巨大な肉塊となり、エリート校のゴールラインへとなだれ込むのでした。


