50周年のアニメ版『エースをねらえ!』の最終回 宗方コーチの名言なしで完結?
恋との決別と自分の道
●絶叫! 苦悩の末に選んだテニス

ひろみに起こった大きな試練とは、藤堂との恋です。好意を抱いていた藤堂から「ぼくはきみが好きだ」と告白されたひろみは舞い上がってしまい、練習試合でも集中力やいつもの必死さが見られませんでした。
全国3位になったこともある相手に勝ったものの、ひろみの変化に気づいた宗方からは、「俺はお前が勝ったとは認めん!」「自分の力でエースも取れずに、相手の自滅で勝てた試合。そんな試合をどうして勝てたと言えるんだ、岡!」と厳しく叱られます。さらに、「コートのなか、テニス以外でお前を燃やそうとするものがあれば俺が取り除く。たとえそれが恋であろうとな」と、ひろみに迫るのです。
そして、苦悩の末、恋をあきらめ、テニスを選んだひろみに、「この宗方仁という男のすべてをこの俺のすべての血を岡、お前のテニスのために流しつくしてやる」と、特訓を続けるのでした。
翌日の練習では、お蝶夫人と加賀のお蘭の超高校級選手同士の対決、そして、ひろみと男子選手との練習試合が組まれます。お蝶夫人とお蘭の戦いを見て、「私もこのふたりに負けない自分のテニスをやる。たとえ相手が男子でも」と決意するひろみでしたが、男子選手相手には力もスピードもかなわず、何度もコートに倒れこむことになりました。
しかし、それでもひろみは「もう私にはテニスしかないんだ。負けるものか!」と、けっしてあきらめずに食らいついていきます。そんなひろみに宗方も、「よくやった。負けはしたが、いつかは勝てるという可能性をお前は見せてくれた」「もう少しだ。頑張れよ、岡」と、ほほ笑みを見せるのでした。
●お蝶夫人との4時間に及ぶ死闘のすえに……
確実に力をつけてきたひろみでしたが、最終26話「ひろみ対お蝶!最後の対決」での第2次メンバー選考会議では、彼女を入れることを主張する宗方とまだ力不足だと言う他のコーチたちで意見が対立しました。そこで、ひろみがお蝶夫人と試合をし、勝つことができればメンバーに残すことになります。
お蝶夫人に憧れて、テニスを始めたひろみですが、先に進むには、その憧れの人を倒さなくてはいけない……。鬼気迫るふたりの試合を他の選手たちやコーチたちは、かたずをのんで見守りました。試合は4時間以上におよび、ひろみは血を流す手にラケットをくくりつけ、お蝶夫人はけいれんを起こしたふくらはぎをかばいながら、最終セットに挑みます。
そしてついに、その瞬間が来ました。ひろみの渾身の一撃がお蝶夫人の足元を抜け、ひろみの勝利が決まったのです。「私にとって初めての今のこの一敗は、今までの連勝記録以上に誇り高い一敗だわ」と、お蝶夫人はひろみを称え、手を取り合うふたりに、ほかの選手たちが駆け寄ります。こうしてひろみは、正式に第2次メンバーに残ることになったのです。
合宿の帰りの電車内で、藤堂は初めて全国優勝した時のペンダントをひろみに渡しました。そして、「ぼくは君が続ける限り、テニスはやめない」と言い、ひろみも「はい。私も藤堂さんが続ける限り」と答え、恋は諦めることになりましたが、テニスを通じた絆はより強くなったことを感じさせます。
そんなふたりの姿に宗方は微笑みを浮かべ、目を閉じるのでした。そして、エンディングテーマ「白いテニスコート」の流れる中、彼らを乗せた電車のカットで終わります。
これが、アニメ『エースをねらえ!』(第1期)の最終回です。あの宗方仁の有名なセリフ「岡!エースをねらえ!」まで映像化されたのは『新・エースをねらえ!』(1978年10月14日~)で、第1期が再放送で高視聴率をマークしたことでリメイク放送されました。ちなみに、「コートでは だれでもひとり ひとりきり♪」という有名なオープニングテーマ「エースをねらえ!」(歌・大杉久美子)は、第1期のものです。
(山田晃子)

