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「ガンダムの歴代主人公って大体みんな最後悲惨じゃね?」確認して浮かんだ意外な結論

死んだと思ってたよね…「型通りの悲恋」を大逆転したのは?

『V』の結末はほろ苦い。バンダイナムコアーツ「U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 機動戦士Vガンダム I」(C)創通・サンライズ
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●シーブック・アノー(『機動戦士ガンダムF91』)

 物語開始時点で高校生であるシーブックの当初の目的は、敵対勢力に連れ去られてしまった幼馴染であるセシリーの奪還、といえるでしょう。そのセシリーはのちに敵対勢力の一員として登場し、あまつさえ交戦まですることになりますが、説得し味方に引き入れることに成功、当初の目的はここで達成されます。続く、本作におけるラスボスとの決戦にも勝利し、その最中に宇宙へと放り出されたセシリーも無事に救出、映画は大団円を迎えます。自身の未熟さから父親を亡くしてしまうなど悲劇にも見舞われたものの、この結末はハッピーエンドといえるのではないでしょうか。

 なおシーブックは、その後もマンガ『機動戦士クロスボーン・ガンダム』(原作:富野由悠季/作画:長谷川祐一/角川コミックス・エース)などに登場しています。一線を退いたのち、セシリーと結ばれ、子どもにも恵まれ、パン屋を営むなど、時には戦闘に巻き込まれつつもおおむね平穏な生活を送る様子が描かれました。

●ウッソ・エヴィン(『機動戦士Vガンダム』)

 結末からいうと、弱冠13歳にしてウッソは、敵であるザンスカール帝国の侵攻を阻止し、幼馴染であるシャクテイ・カリンの奪還にも成功し、そして故郷への帰還を果たすという、おおむね大団円を迎えます。「おおむね」というのは、戦時であり失うものもあったということからで、そこには、物語開始時にはウッソの想い人であり、そして最終的には敵となったカテジナ・ルースの存在も含まれます。

 戦乱に巻き込まれる前のウッソにとってカテジナは憧憬の対象であり、また自らの理想を押し付けるような描写も見られます。それは幼い恋心であり、つまり、彼にとっての幼年期の象徴のような存在といえるでしょう。そして戦乱を経験し、ウッソの世界が広がることで、無知ゆえに幸福な幼年期は彼岸のものとなったわけです。

 カテジナは、悪女に数えられることもあるキャラクターではあります。しかし、彼女の物語における役どころを考えると、この結末の見方も少し変わってくるのではないでしょうか。そうした要素も鑑みると、ややビターなエンド、となるでしょう。

●シロー・アマダ(『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』)

 かつてシェイクスピアが『ロミオとジュリエット』で描いたように、敵対勢力に属する若者同士が惹かれ合い落ちる恋は、悲劇の始まりといえるでしょう。連邦軍のパイロットであるシロー・アマダもまた、ジオンの名門サハリン家の娘アイナと運命的に出会い、恋に落ち、そしてふたり揃って戦場で消息不明になるという悲劇的な結末を迎えた……はずでした。なおその前に、物語上の目的のひとつである「敵兵器の稼働阻止」は達成しています。よってこの時点では、ビターエンドといったところでしょうか。

 ところがその後、シローの隊の一員であったミケル・ニノリッチを主人公とする『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 特別編 ラスト・リゾート』において、ふたりの生存が確認されました。しかも子宝にも恵まれている様子です。シローには、脱走兵かつモビルスーツの私的占有という、罪に問われるであろう不安材料がないこともないわけですが、これはハッピーエンドと数えてよいでしょう。

【画像】「そんなメカ乗ってたの?」ガンダム主人公たちが搭乗した意外なMS(8枚)

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