「ガンダムの歴代主人公って大体みんな最後悲惨じゃね?」確認して浮かんだ意外な結論
定められた運命(=原作)は変わるのか…?

●バナージ・リンクス(『機動戦士ガンダムUC』)
他の主人公たちにもれず、バナージもまたなかなか過酷な運命に翻弄されたわけですが、最大の敵であるフル・フロンタルの「ネオ・ジオング」に勝利し、ヒロインであるオードリーことミネバの目的「ラプラスの箱の開示」を達成し、そして共に生存したまま終幕という、ハッピーエンドを迎えました。
その後、『機動戦士ガンダムNT』にて、ミネバとともにジオン共和国にて身を隠しているという描写がなされています。ミネバにはザビ家という立場もあるため、その後も平穏な生活が続くかどうかはわかりませんが、さしあたって観る側は胸をなでおろしてよさそうです。
●ヨナ・バシュタ(『機動戦士ガンダムNT』)
最大の敵であるゾルタンの「II(セカンド)ネオ・ジオング」を撃破し、その目論見も阻止することに成功はしたものの、幼い頃に過酷な過去を共有し自身にとって特別な存在であるミシェルもリタも結果的には失うという、ほろ苦い結末を迎えています。
ただ、幼い頃にリタを救えなかったという罪悪感は、再会し交流を持てたことで解消されたともいえ、そしてそれはミシェルにもリタにも同様のことがいえるので、ほろ苦くはあれどひとつの解決を得て、過去を精算し、それぞれが次に進めたという見方もできるでしょう。若干ビターながら、ハッピーエンドといえるのではないでしょうか。
●ハサウェイ・ノア(『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』)
富野監督自ら執筆した原作小説では、実に悲劇的な結末を迎えています。ハサウェイもそうですが、数々の問題児たちを抱えつつ、何度も死線をくぐり抜け数々の功績を立ててきたブライト・ノアにあのような未来が待ち受けているとは、いくらなんでも残酷すぎるというものでしょう。1989年から1990年にかけてと比較的、早い段階で発表されたにもかかわらず長年映像化されてこなかったのは、そのあまりにも暗いお話ゆえ、というウワサがまことしやかにささやかれてきました。
とはいえ、それはあくまで原作小説でのお話です。近年、「原作に忠実に映像化」というのがアニメ業界のトレンドとはいえ、果たして原作そのままにアニメ化されるかどうかはまだわかりません。映画は3部作の予定で、2021年9月3日に開かれたトークイベントでは、「第2部は、3部作の映画の中で一番小説と違った話になる」という、小形プロデューサーの発言もありました。ということは、第3部の結末はあまり変わらないのでは……とも考えられますが、そうではない可能性もあります。そのうようなわけで、アニメ版については判定保留です。
●結論 それほど悲惨な結末ばかりでもないのでは
以上のように、ほぼ独断と偏見で、それぞれの主人公が迎えた結末をハッピーか否かという観点から振り返りました。結果、保留を除き、10人中5人がハッピーエンドを迎えています。ただそのハッピーエンド作品は近作に偏っており、つまり長らく続いた主人公受難の時代が、「ガンダムの歴代主人公は悲惨な結末」というイメージを形成してしまったのではないでしょうか。
また、そもそもが戦争を扱った作品です。そこには人の生死がつきものであり、よってなにもかもハッピーハッピーになるわけがない、ともいえるでしょう。
繰り返しますが、本記事はほぼ独断と偏見により構成されています。ここで記された内容にとらわれず、改めてフラットな気持ちで作品を観返してみてください。子どもの頃とは違った観方ができるかもしれません。
(マグミクス編集部)