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なぜ『葬送のフリーレン』はヒットした? 「ギャグの緩急が絶妙」「淡々と平和じゃないのが良い」さまざまな意見

「エモい」だけではない『葬送のフリーレン』

アニメ『葬送のフリーレン』キービジュアル(新パーティー) (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
アニメ『葬送のフリーレン』キービジュアル(新パーティー) (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

 また『葬送のフリーレン』の魅力について、「フリーレンのシュールな笑いがとても好き」「ふふって笑えるギャグの緩急がいい」と評価する声も聞かれます。たしかに同作は深いテーマ性とは裏腹に、シュールなギャグ要素がたっぷり仕込まれていることでもおなじみです。

 たとえば印象的なのが、アニメの第6話で描かれたギャグシーンでしょう。魔法使いの少女フェルンが、「服だけ透けて見える魔法」で戦士の少年シュタルクを見た際に、「ちっさ……」という言葉が飛び出しました。よくあるアニメなら女性側が悲鳴を上げたり、照れたりしそうな場面ですが、同作ならではのギャグ時空が広がっています。

 ほかにもクスッと笑えるシーンは数多くあるものの、大げさなボケに大げさなツッコミを返すようなギャグシーンはほとんどありません。むしろボケ&ツッコミが成り立っていない場面も多く、何ともいえないシュールな雰囲気を醸し出しています。

 またシュールなギャグだけでなく、フィクションにありがちな過剰な感情表現を避けていること自体も大きな魅力でしょう。フリーレンを始めとして、どの登場人物も淡々とセリフを発し、彼らのあいだには穏やかな時間が流れていきます。どれだけシリアスな場面があっても、見ていて疲れないのは、そうした作風の効果ではないでしょうか。

 毎週金曜23時~という放送枠にはもってこいの雰囲気で、視聴者からは「フリーレンは週末にチルするのにちょうどいい」「夜にまったりと浸れるチル系アニメ」「ヒーリングの波長が出てると思うよ、このアニメ」といった感想も多くあがっています。

 コロナ渦で社会現象を巻き起こしたアニメ『鬼滅の刃』ではギャグもバトルも全力投球で熱血的な作風でしたが、『葬送のフリーレン』は疲れた現代人をそっと癒やしてくれる作品です。今や視聴者は「チル」を求めているのかもしれません。

(ハララ書房)

【画像】ゾクゾクしちゃうっ! まるで虫でも見るかのような目つきでシュタルクを見るフェルン(4枚)

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