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【無知は罪】将軍家お家断絶の危機! おしろいと小児死亡の悪夢【薬屋のひとりごと】

猫猫「なんでこれが禁止されたかわかってんのか!」

『薬屋のひとりごと』キービジュアル (C)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
『薬屋のひとりごと』キービジュアル (C)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会

 アニメでは「頭痛に腹痛に吐き気」と言っていましたが、急性の症状で頭痛がからむと鉛よりも酷い水銀の「はらや」の可能性も考えられます。いずれにせよ慢性中毒になると貧血、胃腸の病気、末梢神経症、脳膜炎といった症状が表れました。実は、徳川家は後継ぎが数多く生まれても、大半は成人する前に亡くなっています。

 たとえば12代目である家慶の子供は27人いたとされていますが、ほとんどが10歳以下で死亡し、二十歳を超えたのは13代目である家定くらいで、家定も障害を持っていたとされており虚弱体質だったそうです。当時は、白粉が毒だと指摘されても信じる人はほとんどいなかったでしょう。一般的に幼児の死亡率そのものが高かったのですが、死因が白粉中毒だった例も少なからずあったと思われます。

 やがて、明治末期から大正時代にかけて多かった小児の「脳膜炎」の原因が、母親が使用する白粉の鉛中毒だと判明しました。そして1943年(昭和18年)に、鉛の白粉の製造が禁止となります。

 古くから「白粉の鉛が毒」と伝わりながら長く使用され続けた理由は、それが最も使いやすくそして美しく映えたから、だそうです。アニメ第4話「恫喝」で、「侍女が、体調が悪い妃に、使用を禁止されていた白粉を塗り続けていた」というエピソードがありますが、まさしく改められない昔の習慣を映したのかもしれません。

『薬屋のひとりごと』はフィクションですが、薬草に関する内容は下調べされた上で描かれていて嘘はないそうです。古い時代設定を通じて「白粉の鉛は毒だった」という雑学知識を学べますし、そしてまた現代人へのメッセージ性も感じられます。

 たとえば第6話「園遊会」では、青魚アレルギーの話が出てきますが、昔は「食べると体調を崩す」と説明しても周囲は好き嫌いのわがままと思ったでしょう。「知っていて与えたのなら毒を盛るのと同じ」、「好き嫌い以前の問題」などと猫猫が話すシーンは、アレルギーを軽んじている現代の人に見てほしいと思いました。

 アニメは、先々の展開へいくつもの伏線が張られているようです。薬屋である猫猫はどんな難題を解き明かすのか、『薬屋のひとりごと』はさらにミステリアスな展開へ入っていくはずです。

(石原久稔)

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