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時代劇版『仮面ライダー』倒したヒーロー! もっと評価されるべき『怪傑ライオン丸』

不都合な条件が続き苦戦した『変身忍者 嵐』

『変身忍者 嵐』VOL.1 DVD (C)石森プロ・東映
『変身忍者 嵐』VOL.1 DVD (C)石森プロ・東映

 偶然なのか、売れる特撮時代劇の形を模索した結果なのか、『快傑ライオン丸』と『変身忍者嵐』では共通点が多く見られます。たとえばそれは、「時代劇」で「忍者が主人公」であり、一緒に旅をする仲間は「くノ一と子ども忍者」で、ラスボスは「海外から渡来した大魔王」でした。当時の子どもたちは、どちらを観ているのか混乱したことでしょう。

 大人気だった『快傑ライオン丸』に対して、『変身忍者嵐』は視聴率で苦戦していました。人気絶頂の『ウルトラマンA』が裏番組だったのも理由のひとつですが、新聞のテレビ欄を見ても子どもたちが読むことのできない漢字のタイトルも災いしたようです。放送15回目にしてそのテレビ欄のタイトルを『へんしん忍者あらし』と改めても、すでに遅かった様子でした。

 また時代劇で東映といえば京都太秦のスタジオがあるものの、プロデューサーの平山 亨氏が『仮面ライダー』などと並行して仕事をしていたので、東京で撮影をすることになったようです。それまで一度も時代劇を作ったことのないスタッフが、かつらや衣装も用意することになります。

 そこで主人公「ハヤテ」はじめ主要キャラの3人はいずれもチョンマゲをしない設定になり、ハヤテは長髪にバンダナです。その衣装も、設定は江戸時代のはずなのに、ビニール地の派手なカラーのジャンパーにブーツというあまりにも現代風のものでした。

 忍者らしからぬ姿が不評だったのか、ハヤテたちは第21話から獅子丸と同じようにチョンマゲと忍者衣装という別人のような姿に変わります。レギュラーキャストのチームワークも良かったとはいえないようで、「カスミ」役の林 寛子は理由もなく途中離脱しました。

 愛馬「ハヤブサオー」は、変身後には白い面を被ったものの、やはり白馬である天馬ヒカリ丸の格好良さにはかないません。プロデューサーである平山氏の著書『泣き虫遺言状~テレビヒーローと歩んだ50年~』(講談社)によると、なんと撮影のストレスで2頭も死んでしまったのだとか。

 思ったほど人気にならなかったため、「ハヤブサオー」は第20話で降板(予算のためにカット)しています。白馬を使いたいがために白馬1頭を買い取ったというピープロは社運がかかっており、制作の本気度が違ったということでしょう。

 なお「嵐」への変身は、忍法なのに、背中の刀の鍔を鳴らすことで特殊な振動が起こり、脳神経が異常活動を始め、身体の細胞配列を変える、というものです。いかにも石森原作らしい変身の設定ですが、この理論をどれだけの子どもが理解できたでしょう。

 平山氏は著書で、『ライオン丸』に対して『嵐』の負けを認めていました。

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