やはり「サンタの秘密」が一因? 元・玩具店員が語る「コレジャナイ」プレゼントの背景
トラウマになった「コレジャナイ」オモチャ

子供の頃のクリスマスプレゼントで前述のダイヤブロックと同様に、筆者が今でも記憶に残っているのが1974年の出来事です。
いつもならクリスマスプレゼントは両親と買いに行くのが筆者の家の定番でした。しかし、この年は母親が入院していて、その機会を作れなかったのです。子供心にプレゼントはあきらめていたのですが、父親が気を利かしてクリスマスに用意してくれました。その中身が、この年に放送していた特撮番組『ウルトラマンレオ』に出てくる戦闘機「マッキー3号」のタカトクZ合金だったのです。
これをもらった筆者の気持ちは、うれしいよりもコレジャナイ感に包まれていました。この年は秋にTVアニメ『グレートマジンガー』が始まったばかりで、その超合金が欲しかったからです。しかも一度、玩具屋で見本しか置いてなかったので買えなかったということがありました。
そんな理由からコレジャナイんだとも思いましたが、事を荒立てることなく喜んだふりをします。ちなみにグレートマジンガーの超合金は、当時は買わないまま現在に至りました。持っていたオモチャから推測するに、合金オモチャから「ミクロマン」に興味が移ったらしいです。
ちなみにこの話のオチは、翌月放送された『ウルトラマンレオ』第40話「恐怖の円盤生物シリーズ! MAC全滅! 円盤は生物だった!」でMACが全滅してしまい、買ってもらったマッキー3号は活躍する場面を見ることなく退場してしまいました。そういうことから余計に記憶に残っているわけです。
皮肉なことに喜んでいたオモチャより、コレジャナイオモチャの方が記憶に強く残るという典型例でしょうか。みなさんも、そんなトラウマオモチャがいくつかありませんか?
そんなことがあったので、後年に筆者が玩具屋で仕事していた時は、同じような目にあう子供をひとりでも減らそうと、親御さんの接客には注意を払いました。というか、お孫さんにプレゼントするおじいちゃん、おばあちゃんが曖昧な記憶でオモチャを買おうとしているケースが非常に多かった印象です。
たとえば「つぶれたロボットのオモチャ」と言われてSDガンダムかと思ったら龍神丸だったとか、「走る車」でラジコンかミニ四駆かで迷ったことなどザラにありました。女の子向け人形はだいたい「リカちゃん」と言ってくるのも玩具屋あるあるです。
事前に入念なリサーチをすれば間違えることはないでしょうが、やはり子供と一緒にオモチャを選ぶのが一番でしょうか。その選ぶ時間も良い思い出になるかもしれないからです。
そんなわけで、サンタを信じる子供たちに贈るプレゼントは、いつの時代も苦労するんだろうなぁと思う筆者でした。
(加々美利治)




