カツオが1番好きなものは「野球」じゃない? 50年以上に渡る「秘密の趣味」とは
「ボクだけが美しい…」カツオはナルシスト?

カツオがセーラー服におさげのついた、「ウィッグ姿」を披露するエピソードも登場します。波平の盆栽を割ってしまい、叱られるのを回避するための女装でしたが、帰宅した波平に正面から挨拶しているのに、「カツオはどうした? お友達が待っているというのに」と気付かないほどの仕上がりぶりです。ただし、サザエには気付かれていたというオチがつきます。
このエピソードは「カツオのための反省室」(07年6月24日)などで描かれていますが、「うまい逃げ口上」(10年4月4日)は前の週に放送された「春風からの招待状」(10年3月28日)で女装した中島くんのことが気になってしまうカツオが描かれたこともあり、2週連続の女装エピソードとして視聴者を騒がせました。
なぜ、このように次々とカツオの女装エピソードが作られたかというと、答えはシンプル。原作でカツオの女装エピソードが、繰り返し描かれていたからです。波平の植木を折っておさげのウィッグとセーラー服で女装して難を逃れる話もありますし、女装を楽しんでいる最中に化粧品のセールスマンが来て口紅を塗られる場面もありました。
だから、この2パターンが繰り返し描かれたのでしょう。友人の家の窓から女装して顔を出し、サザエを騙すエピソードもありました。
面白いのが、原作ではカツオがナルシストとして描かれているところです。女装はしていませんが、鏡を見て「家族のだれにもにてない」「ボクだけ美しい……」と嘆くエピソードがあります。この後、鏡を見ながら女装して微笑んでいるカツオの様子を見たら、やはりナルシストだと思うでしょう。また、サザエの化粧水を使っているのがバレて怒られるエピソードもありました。カツオはけっして、イタズラだけで女装していたわけではなかったのです。
TVアニメでは、女装エピソードとは言い切れませんが、大きな話題になったのが「カツオのスカート」(22年3月6日)です。ある日、サザエが縫ったスカートを、カツオが試着していました。ところが、その姿をカオリちゃんや早川さんに見られてしまったのではないかと、カツオは気が気じゃありません。
数日後、カオリちゃんと早川さんが磯野家にやってきました。早川さんは「スカートを穿いたって別にいいのよ」と笑い、「今度はみんなでおそろいのスカートを穿きましょうよ!」と提案します。タラちゃんも「カツオお兄ちゃんのスカート、可愛かったですよ」と言ってくれました。
コテコテのギャグとしての扱いからジェンダーフリーを感じさせるエピソードまで、『サザエさん』でのカツオの女装の描かれ方を見ると、時代の変化がよく分かります。
(大山くまお)

