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『赤ずきんチャチャ』TV放送から30年 原作改変しながらも大ヒットに結び付いたワケ

酷評もはねのけたフレッシュな声優陣

 チャチャ役の鈴木真仁(まさみ)さんは、本作がデビュー作でした。新人でデビュー作がいきなり主役というのはかなりのプレッシャーだったようで、当時の苦労話を後に多く語っています。

 この新人起用は鈴木さんに限らず、ほかのキャストにもいえることで、加えて本作キャストは代々木アニメーション学院卒業者の起用が多く、当時は「学芸会」といった酷評をする人も少なくありませんでした。もちろん脇には三ツ矢雄二さんや日高のり子さん、島本須美さんといったベテラン勢が控え、慣れない新人勢を支えています。

 さらにアイドルグループ「SMAP」の香取慎吾さん(当時)が、リーヤ役としてレギュラー出演していました。SMAPは前作『姫ちゃんのリボン』から主題歌を担当しており、本作でも引き続きオープニング曲「君色思い」を提供しています。

 これらフレッシュな顔ぶれが本作の自由な作風とマッチして、ヒットへと結びついたわけです。本来なら1年4クールの予定が、1年半の6クールで全74話が製作されました。さらに放送終了の半年後にはOVAが3本、製作されています。

 このようにTVアニメとしては大人気だった本作について、原作と大きく違う展開を、原作者である漫画家の彩花みん先生はどう思っていたのでしょうか。

 普通なら自分の原作通りにアニメ化しなかったことに不満を抱くものでしょうが、彩花先生はとても満足していたそうです。しかもアニメオリジナルキャラクターを原作にも登場させ、完全に自分のものにしていました。

 そのひとりが、アニメではシリアスな面しか見せなかったしいねちゃんの父親である「アクセス」で、アニメのキャラクターデザインそのままに原作マンガへ登場しています。しかし、マンガの中では「アニメでは渋い人なのに……」といわれるくらいの壊れっぷりで、大活躍していました。

 アニメ化で大きく改変された本作ですが、唯一、変わらなかったのが「破天荒なドタバタコメディ」の部分です。マジカルプリンセスと大魔王の戦いというシリアス部分を加えながらも、原作最大の魅力であるこの部分を貫いたことが大きなヒットに結び付いたのでしょう。

 原作とアニメで違った展開になったことで、普通はさまざまな問題が起きることでしょう。しかし『赤ずきんチャチャ』はそんなことなどお構いなしにコメディ作品として走り抜けました。それが原作者からもファンからも共に受け入れられた理由だと思います。そういう意味では奇跡的なマリアージュだったのかもしれません。

※日高のり子さんの「高」は、正しくは「はしごだか」

(加々美利治)

【画像】えっ…欲しい! こちらが「特別展 りぼん」にて販売された「復刻ふろく チャチャストロベリーノート」です

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