「ガンダム」主人公のちょっとクセが強めな父親たち 理想の父ちゃんには程遠い…?
父親としての役割から逃げた男たち

●フランクリン・ビダン 『機動戦士Zガンダム』
『機動戦士Zガンダム』の主人公である「カミーユ・ビダン」の父親「フランクリン」も、テムと同様にMS工学のスペシャリストであり、「ガンダムMk-II」の開発主任を務めていた人物です。テストパイロットも務めているため操縦技術は高く、結果としてそれが死の遠因ともなっています。テムと同じく仕事に熱中する性格で、家族を顧みないため夫婦仲は冷え切っている上に愛人がおり、家庭環境は完全に崩壊していました。
物語序盤、「ティターンズ」の「ガンダムMk-II」が「エゥーゴ」に奪われた際には、自身が開発したにも関わらず「あんなもの、くれてやってかまわないでしょう」と言い放っています。これは、技術の進歩が極めて早いためすぐに陳腐化することを見越した発言でもあり、技術者としての知見は高いことがうかがえるでしょう。
ティターンズの策謀により妻である「ヒルダ」を殺害された際に、カミーユに愛人の事を咎められ面目を失うなど、紆余曲折あってエゥーゴに亡命しますが、「リック・ディアス」に並々ならぬ興味を抱き、これを強奪してティターンズへの帰還を試みます。しかしカミーユに追われるなかティターンズとエゥーゴの乱戦に巻き込まれ、あっけない最期を遂げました。
●ハンゲルグ・エヴィン 『機動戦士Vガンダム』
『機動戦士Vガンダム』の主人公「ウッソ・エヴィン」の父親、「ハンゲルグ・エヴィン」は、ウッソを幼いころから鍛え上げ、優れた戦士へと育てた人物です。「ザンスカール帝国」に対抗して結成されたレジスタンス組織「リガ・ミリティア」の創設者「ジン・ジャハナム」を名乗る人間のひとりでもあり、組織運営や交渉人として卓越した手腕を持ち、地球連邦軍やMSメーカー「アナハイム・エレクトロニクス」との人脈を築いて戦力の強化に大きな役割を果たしました。
しかし、父親としてはウッソと上手くコミュニケーションできておらず、その「父親」という役割からは逃げ出そうとするそぶりが多く、ウッソがわずか13歳でエースパイロットになったことは想像を超えていたようで、戸惑いすら見せています。
最終決戦時には「リガ・ミリティア」の旗艦である「ジャンヌ・ダルク」に乗艦し、リーダーとして指揮を執りますが、艦に致命的なダメージを受けてもはや特攻しかなくなった際には、いつの間にか姿を消しています。
脱出したといわれていますが、特攻時には一瞬、顔のイメージが映し出され、ウッソも死を感じ取っている描写があるため、戦死した可能性も残されています。なお、小説版では生き残り、今後の脅威となる木星開発公団の調査に向かったことが確認されました。
(早川清一朗)





