『推しの子』はどうなる? 発表時は物議を醸すも「評価逆転」した実写化成功作とは
大ヒットマンガ『【推しの子】』の実写化が決まり、原作ファンのあいだではさまざまな意見が飛び交っています。マンガが実写化すると賛否が巻き起こることもありますが、過去に賛否のあった作品はその後どのような評価を得たのでしょうか。
賛否両論があったものの、公開後大絶賛された作品も

大ヒットマンガ『【推しの子】』の実写版ドラマシリーズが、2024年冬にAmazonのPrime Videoにて世界独占配信されるほか、映画版も公開されることが決定しました。伝説のアイドルであるアイ役には齋藤飛鳥さん、アイの子どもである双子のアクアとルビー役を桜井海音(さくらい・かいと)さん、齊藤なぎささんが演じることが発表されています。
実写化に関して、原作ファンのあいだでは「演技」「実写化の問題」などにも触れている作中のシーンをどう再現するのか心配の声も出ていました。ちなみに原作者の赤坂アカさんは2024年1月24日、東映の公式ホームページに「芸能界を舞台にした『【推しの子】』という作品を、漫画家の目線でなく、正に芸能界という現場で、本物の現場にいる人々が作ろうと言う気持ちはどういうものなのか そして出来上がるものはどういうものなのか 私はとても興味があります」とコメントしています。
今回の『【推しの子】』に限らず、マンガ作品の実写化については以前から賛否の意見が飛び交うことが多いです。今回は発表時は不安視されていたものの、公開後に「巻き返した」実写化作品を振り返ります。
2024年1月19日から劇場公開された実写版『ゴールデンカムイ』(原作:野田サトル)は、日露戦争後の北海道を舞台に、アイヌたちが隠した莫大な埋蔵金の在り処を巡るスペクタクル作品です。原作マンガは独特なノリのギャグや強烈な変態たち、激しいアクションシーン、残酷描写、さらに細かいアイヌ文化の紹介や「狩猟グルメ」など、さまざまな要素出てくるため、ファンのあいだでは「実写化いちばん難しそう」「映画の尺に縮めるの無理でしょ」「改変だらけになるのでは」などの意見も挙がっていました。
しかし、実写化されるとたちまち「全てにおいて満点の出来」「原作愛が凄すぎる」「細かい改変もうまい」「アイヌ文化の描写も丁寧」などの絶賛の声が相次ぎました。
なかでも評価されていたのは、キャストたちの再現度でした。ネット上では、主役の杉元佐一を演じた山崎賢人さんやアイヌの少女・アシリパを演じた山田杏奈さんはもちろんのこと、白石由竹役の矢本悠馬さんや鶴見中尉役の玉木宏さんなど、脇を固めた俳優陣のキャラクターの演技に感心したファンのレビューが多くあがっています。
原作3巻途中までを丁寧に実写化した1作目は、「クオリティ高いけど10作ぐらい必要」「いつ終わるのか心配」など不安の声も出ていますが、作品の出来に関しては賞賛が大半を占める成功作となりました。
『ゴールデンカムイ』と同じく山崎賢人さんが主演を務め、2019年4月19日に公開された実写版映画『キングダム』(原作:原泰久)も、中国大陸が舞台で戦争シーンが多い壮大な物語を実写化できるのかという不安の声があがっていました。しかし、映画が公開されると俳優陣の見事な演技や、原作の再現度の高さが評価されています。
特に山界の王・楊端和を演じた長澤まさみさんには、「神々しい美しさ。日本映画史上に残る女性キャラでは」など、その唯一無二の存在感を評価する声があがり、六大将軍の最後のひとり・王騎を演じた大沢たかおさんにも「もはや主役級の存在感」「王騎が出てきた瞬間、思わず震えた」などと絶賛されています。
中国ロケを行って再現された壮大な世界観や激しいアクション、原作者の原泰久先生も脚本に関わって映画用に的確に改変された物語も高評価です。しかし、3作目まで作られた実写『キングダム』シリーズも、『ゴールデンカムイ』同様に「原作に忠実な分、話の進みが遅い」という問題があり、ファンの間では「次の4作目(『キングダム 大将軍の帰還』7月12日公開)で終わりじゃないか」「合従軍編までやってほしい」と、まだ原作も完結していない物語をどこで締めるのか、さまざまな意見が出ています。