「OP制作途中」「アイドルゲーがロボットモノに」 色んな理由で物議を醸したアニメ
アニメ作品は、放送するまでにさまざまな過程を突破して、ようやくオンエアを迎えられます。しかしなかには「十分な制作時間がなかった」「原作から大幅にアレンジした」などの事情で、ファンの間で物議を醸した作品もありました。
過密スケジュールによって発生した作画崩壊

長年にわたり多数作られてきたアニメ作品のなかには、「神アニメ!」と絶賛されるものもあれば、「これってどうなの?」と物議を醸した問題作もあります。今回は、「作画崩壊」や「原作無視」などの理由で賛否が分かれたアニメ作品を振り返りましょう。
●『ロスト・ユニバース』
人気ライトノベルの『ロスト・ユニバース』(著者:神坂一、イラスト:義仲翔子)は、アニメ版が1998年に放送され、「作画崩壊」で有名になりました。
本作は、主人公である腕利きのトラブル・コントラクター(厄介ごと請負人)のケイン(CV:保志総一朗)が宇宙船「ソードブレイカー」に乗って、制御コンピューターのキャナル(CV:林原めぐみ)、ミリィ(CV:柊美冬)とともに銀河にはびこるトラブルを乗り越えていくという「ファンタスティック・スペース・アドベンチャー」です。
まず、問題となったのは、アニメが始まってすぐの部分でした。過密スケジュールで十分な制作時間が確保できなかったため、完成前の状態でオープニングが流れてしまったのです。「只今 作業中」「UNDER CONSTRUCTION(工事中)」というカットまで差し込まれていました。
遅れを取り戻すことはしばらくできなかったようで、第4話(各種動画配信サイトでは第12話)「ヤシガニ屠る」では登場キャラの動きがカクカクしていたり、全体的に動きが少なかったり、キャラの表情の描写が雑などといった場面が多く、誰が見ても「作画崩壊」と分かるクオリティです。
現在の動画配信サービスで公開されている映像はリテイク版なので、ほとんど修正されています。ちなみに、この第4話は話題になって、作画崩壊を意味する「ヤシガニ」というネットスラングが生まれました。