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マニア向け『ケロロ軍曹』がファミリー層に浸透したワケ 20周年に新アニメであります

『ケロロ軍曹』TVアニメ化から20年が経ちました。数々のパロディやオマージュで多くの視聴者の注目を集めた作品です。その結果、本来のターゲットでなかった層にも大きな人気となりました。その人気を得た理由について紐解きます。

サンライズ制作だから出来た『ケロロ軍曹』のアレ

アニメ『ケロロ軍曹』ビジュアル (C)吉崎観音/KADOKAWA・BNP・テレビ東京・NAS・BV
アニメ『ケロロ軍曹』ビジュアル (C)吉崎観音/KADOKAWA・BNP・テレビ東京・NAS・BV

 2004年4月3日、マンガ『ケロロ軍曹』がTVアニメとして放映開始し、今年で20周年を迎えました。TVアニメになったことで、より大きなヒット作となった本作の軌跡を振り返ってみましょう。

 吉崎観音先生によるマンガ『ケロロ軍曹』はもともと、雑誌「月刊少年エース」(KADOKAWA)にて、1999年4月号から連載されていました。宇宙から地球侵略にやって来た「ケロロ軍曹」が、地球人の「日向夏美」と「日向冬樹」の姉弟と織りなすドタバタコメディ作品です。

 これにケロロ小隊のメンバーである「タママ二等兵」「ギロロ伍長」「クルル曹長」「ドロロ兵長」といったメンバー、さらにその関係者である人物などが加わって、ギャグだけでなく、時には風情のある人情話やシリアスなストーリーなど、さまざまな展開が見られました。

 このように作風の振り幅が広い作品として『ケロロ軍曹』は人気を得ることになります。このほかにも「少年エース」の読者層に合わせて、女性キャラのお色気といった要素、メタ発言やブラックジョーク、時にはマニアックすぎるネタといったものも作品を彩るエッセンスとなりました。

 こういった部分が話題となって徐々にファンを増やしていき、「少年エース」の看板作品のひとつとなったころにTVアニメ化されることになります。このアニメ制作を担ったのがサンライズでした。

 これが本作アニメ化最大のポイントとなります。なぜなら、ケロロといえば趣味の「ガンプラ」は切っても切れない関係であり、サンライズが製作になったことで、この部分をボカさずに描けるからでした。逆を言えば、『ケロロ軍曹』のアニメ化はサンライズ以外ではできなかったと言っても過言ではないでしょう。それだけでなく、サンライズ制作ということで「ガンダム」ネタをふんだんに盛り込めました。原作マンガにない部分が足されるのはもちろん、アニメならではの声優つながりのネタも追加されています。

 アニメになったことでもっとも強化されたのが、こういったオマージュやパロディ要素です。この部分を果敢に挑戦したことで、ファンから好評を得ました。後に、同じくサンライズ制作でアニメ化される『銀魂』のパロディ要素も、『ケロロ軍曹』が先駆けとなったからあそこまで踏み込んだものが出来たのかもしれません。

 そして『ケロロ軍曹』がTVアニメになったことで、予想していなかった層からも支持を得ることになりました。

【画像】原作マンガ『ケロロ軍曹』とアニメ版初期および7期のビジュアルを見比べる(5枚)

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