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「アニメ業界が一夜にして崩壊する可能性も」 アニメ制作と「生成系AI」にまつわる危機的状況とは

アニメ業界のクリエイター7割がAIに懸念?

NAFCA事務局長・広報で声優の福宮あやの氏
NAFCA事務局長・広報で声優の福宮あやの氏

 しかし、アニメ制作工程の大部分を担えるのであれば、やはりクリエイターの仕事は最終的には奪われてしまうのではないかと思えてきます。実際にアニメの現場で働くクリエイターたちはどう思っているのでしょうか。

 NAFCAがアニメ業界で働く人に向けてアンケート調査を実施したこところ、有効回答3854件の回答があり、「例外を除いて原則規制すべき」が46.3%、「全面的に規制すべき」と答えたのが27.4%で、何らかの規制を求める声が7割を超えています(参照:アニメ業界を対象とした生成 AI に関する意識調査の結果 https://nafca.jp/survey01/)。

 一方、「極端なもの以外は規制すべきではない」が16.1%と、現時点でも新たな技術に期待している人もいるようです。実際に、現場からは人手不足解消のため「使えるものなら使いたい」や「(権利的に)クリーンならば使ってみたい」という意見も出ている状況であると、NAFCA事務局長・広報で声優の福宮あやの氏は語ります。

 また、NAFCAの理事を務め、長くアニメ業界で演出として活躍してきたヤマトナオミチ氏は、アニメ業界でも過去にAI研究はあったが、なかなか進まなかったといいます。それは、アニメの制作現場は作品ごとに離散集合し、長期的なアニメプロジェクトが少なくなっているため、研究も引き継がれないためだといいます。

「企画はクライアントのものなので、研究成果も現場で引き継がれていきません。制作現場の会社の財産となっていけば、継続的に研究を続けられる可能性はあると思いますが、現状はそうなっていないんです」(ヤマト氏)

 またヤマト氏は「アニメ制作は常に新しい技術を取り入れ発展してきた歴史があるため、新ツールが有効活用できるならしたいと思う人は当然いる」ともいい、単純に技術が「良いか悪いか」ではないと補足します。

NAFCA理事、アニメ演出家のヤマトナオミチ氏
NAFCA理事、アニメ演出家のヤマトナオミチ氏

 しかし、AIを実践投入する場合には、著作権などの権利に気を付ける必要があります。

 NAFCAはAIに関する内閣府の審議会「AI時代における知的財産権」に提出したパブリックコメントの内容を公表しており、現状のAIが既存の作品を無断で学習しているという認識で、その法整備が追いついていない状態に懸念を表明しています。

 この点については、現場からも「今の混乱している状況で、商業作品でAIを使用するのはリスクが大きいので、今すぐにAIを使うという話は聞こえてこない」(福宮)とのことです
(参照:パブリックコメント「AI時代における知的財産権」 | NAFCA 一般社団法人日本アニメフィルム文化連盟 https://nafca.jp/public-comment01/)。

【画像】えっ、無断使用されてる? 海外企業のAIプラットフォームで作成・配布された国民的人気キャラを見る(8枚)

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