まさかのシーンまで? 朝ドラ女優が体当たりで演じたR指定マンガ実写化映画
マンガを実写化する際、作品の内容によってはR指定として鑑賞に年齢制限を設けられることがあります。そのなかには、朝の連続テレビ小説でヒロインを務めた女優が、過去に体当たりで原作シーンを忠実に再現した例もありました。
迫真の演技に注目

マンガやアニメを実写映画化する際、作品によっては性描写などのセンシティブなシーンもあり、レーティングが厳しくなることも珍しくありません。そういった作品では、役者の体当たりな演技も話題になります。今回は、NHKの「朝の連続テレビ小説」でヒロインを務めた女優たちが、体当たりの演技を見せたR指定の実写映画を振り返りましょう。
●『リバーズ・エッジ』R15+
実写映画化もされたマンガ『ヘルタースケルター』などで知られる岡崎京子先生原作の実写映画『リバーズ・エッジ』(2018年)は青春をテーマに、いじめ、摂食障害、ドラッグなどセンシティブな内容を描き、多くの観客に衝撃を与えました。
物語は女子高生の「若草ハルナ(二階堂ふみ)」が、元彼の「観音崎(上杉柊平)」にいじめられていた「山田一郎(吉沢亮)」という同級生を助けるところからはじまります。そのことをきっかけに一郎と親交を持つようになったハルナは、彼からある「秘密」を打ち明けられるのでした。
『リバーズ・エッジ』には、激しい暴力描写や性愛描写が多く盛り込まれています。後に朝ドラ『エール』(2020年)でヒロインの「音(おと)」を演じる二階堂ふみさんの、過激なシーンも話題となりました。
ハルナと観音崎が、ホテルにて行為に及ぶシーンにおいて、ハルナはそのさなか、終始真顔で観音崎を受け止めています。虚空を見つめ、性行為を流れ作業かのようにとらえている二階堂さんの演技は、難しい場面を見事に表現していました。その後も二階堂さんは、観音崎との行為が終わるとすぐにテレビを見始めるなど、つかみどころのない性格のヒロインを全力で演じ切っています。
「しんどい内容なのに何回も観てしまう」「独特な世界観で見応えがある」と、「鬱展開」が多いながらもクセになる人も多かったようです。
ちなみに二階堂さんは、2020年の映画『ばるぼら』でも不思議な少女「ばるぼら」を演じ、大胆な濡れ場を見せています。こちらは『エール』最終回前に公開されたこともあり、「ふり幅が衝撃」「朝の顔のイメージで観たから余計驚いた」と、さらなる衝撃を呼びました。
●『ストロベリーショートケイクス』R15+
魚喃(なななん)キリコ先生のマンガ『ストロベリーショートケイクス』は、2006年に同題で実写映画化されました。職業も性格も異なる4人の女性に焦点をあて、自分なりの幸せを追い求めて生きていく姿を描いたヒューマンドラマです。
風俗店の受付嬢として働く「里子(池脇千鶴)」、その風俗店に務める「秋代(中村優子)」、彼氏に首ったけのOL「ちひろ(中越典子)」、ちひろと同居するイラストレーターの「塔子(岩瀬塔子)」の4人は、悩みを抱えながら生きていました。そして彼女らは偶然が重なり、接点を持ち始めます。
作中、彼氏に理不尽に振られたり、仕事が上手くいかず拒食症になってしまったりと、現実でも起こりうる出来事やそれに直面する登場人物たちのリアリティあふれる姿が多数、描かれました。なかでも、2003年の朝ドラ『こころ』で主演を務めた中越典子さんは、上述したちひろ役にて生々しいベッドシーンを演じています。リアリティを追及した中越さんの演技に、驚いた人も多かったのではないでしょうか。
ネット上では中越さんや、池脇千鶴さん(こちらも2001年の『ほんまもん』で朝ドラヒロイン経験あり)ら4人の迫真の演技が「上手くいかない不遇な現実が見事に描かれていた」「女性ならではの視点が多数あって共感できた」と長年、絶賛を受けています。