『ガンダム』戦果だけじゃない「アムロ最大の貢献」とは? そらジオンは勝てねーよ!
『機動戦士ガンダム』の一年戦争を勝利に導いたのは、しばしば地球連邦軍が繰り出した物量だといわれていますが、アムロ・レイの果たした役割が極めて大きいのも事実です。アムロはどれほどヤバい貢献をしたのでしょうか。
なぜ地球連邦軍は数と質でジオンを上回ったのか
『機動戦士ガンダム』の一年戦争を勝利に導いたのは、しばしば地球連邦軍が繰り出した物量だといわれています。それは事実ではありますが、「アムロ・レイ」が果たした役割は、戦果を含めて極めて大きいのも事実です。アムロはどれほど「ヤバい」貢献をしたのでしょうか。
ジオン公国軍が独立を賭けて仕掛けた「一年戦争」は、序盤こそコロニー落としを含めたなりふり構わない猛攻でジオン軍が優勢となったもののすぐに膠着、最終的には圧倒的な物量を戦場に送り込んだ地球連邦軍が勝利しました。これはただの事実です。
しかしながら、ただ物量だけを繰り出しても戦争には中々、勝てるものではありません。特に攻撃側である地球連邦軍側には、戦闘艦やモビルスーツの装甲以外の防御手段は「ビームかく乱幕」程度しかないのに対し、防御側のジオンは小惑星を始めとする地形を武器に出来ます。ある程度の質量を持つ小惑星にエンジンを付けて打ち出せば、サラミス巡洋艦程度なら簡単に粉砕することも可能です。
砲台も大量に用意できるうえ、隠れる場所も豊富にあります。運が悪ければ隠れた場所にミサイルが飛び込んでくる可能性はありますが、外に露出しているよりはだいぶマシでしょう。
数だけでは決定的な要素にならない、それでは何が重要なのでしょうか。当然、質です。質においてどちらが上回っていたのかといえば、これも地球連邦軍になるでしょう。
地球連邦軍の質を高めるために重要な要素となったのが、「コア・ファイター」に搭載されていた「教育型コンピュータ」です。教育型コンピュータは戦闘で得たデータを蓄積して動作プログラムを自ら更新する機能を持っているため、戦えば戦うほど機体性能が強化されていくのです。アムロ・レイが生存のために繰り広げたジオンのエース・パイロットたち相手の激闘は、そのまま「ガンダム」の強化につながりました。
強化されたデータは、「ホワイトベース」の救援(物資補給)にやってきた「マチルダ・アジャン」中尉によりコピーされて地球連邦軍の手に渡り、「ジム」の開発に大きく貢献しました。『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』に、ジムが鋭い動きでビームサーベルを抜き、「リック・ドム」を真っ二つにするシーンがあり、そのような実戦経験を積みづらい接近戦を見事にこなせたのは、アムロのデータあってのことでしょう。
北爪宏幸先生の漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』(KADOKAWA)では、「シャア・アズナブル」が地球連邦軍の追討部隊を迎撃した際、ジムに「アムロの様な機動で攻撃を避けられ」驚愕するシーンがあります。アムロの残した戦闘データがジムに移植されている証拠となる場面といえるでしょう。