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初代『ガンダム』セリフ改変、歴史的事件での放送中止…不遇だったアメリカ進出

『W』の放送を機に、1stもついに日の目を見る…と思われたが?

『新機動戦記ガンダムW』ビジュアル (C)創通・サンライズ
『新機動戦記ガンダムW』ビジュアル (C)創通・サンライズ

 吹替え版ではありますが、『新機動戦記ガンダムW』は問題視されそうな戦闘描写などを調整した全年齢向け版と、日本と同じ内容の深夜放送版のふたつのバージョンが制作され、先述の日本アニメブームの波に乗って、ティーンエイジャーを中心とした大ヒット作となりました。カートゥーンネットワーク全体でもトップとなり、2000年にはプラモデルなどの関連商品も33億円の売上をあげたほどです。

 そんな『W』の人気に乗じて、今度こそ『機動戦士ガンダム』をアメリカに浸透させようと考えた日本側はカートゥーンネットワークに切望し、ついに翌2001年7月23日、『W』と同じ枠でのTVシリーズ『機動戦士ガンダム』の放送へとこぎつけます。実際、当時日本側が発表した資料によれば第1週の平均視聴率は2.4%(6~11歳男児)。『W』の1.96%を上回る好調なスタートを切りました。

 しかし、さすがに当時でも20年前に作られた作品だけあって、映像面でジェネレーションギャップがあったのでしょうか。『W』人気のメイン層であった、いわゆるティーン層にはなかなか人気が波及せず、期待したほどの盛り上がりは得られませんでした。それでも、視聴率や関連商品の売上の推移を見れば、最終回までは放送されて当然のレベルだったのです。

 ところが放送開始から2か月近く経った頃、歴史的な事件が起こります。9.11同時多発テロです。すでに物語も後半に入っていましたが、事件の影響でさらにテロや戦争描写に厳しくなったカートゥーンネットワークは、9月12日の放送をもって『機動戦士ガンダム』の放送を中止してしまいました。

 その後、同年年末のTOONAMIの特別番組「A Night of New Year’s Eve-il.」で最終回のみは放送されましたが、事情の分からなかったファンたちは相当に混乱したようです(当時の動揺を解説する映像がYouTubeにも投稿されています)。

 ビデオリリースに続き、TV初放送でも『機動戦士ガンダム』が、アメリカでその真価を発揮できなかったのは不幸としかいいようがありません。しかし、近年の映像配信サイトの普及で、新シリーズが世界同時配信されるようになり、その原点となる『機動戦士ガンダム』の再評価も進みつつあります。

 TOONAMI時に少年だった世代がクリエイター側に回ったからでしょうか、近年スティーブンスピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー・1』に「ガンダム」が登場したのは記憶に新しく、2022年にバンダイが行ったゲーム「GUNDAM EVOLUTION」アンケートでは、新作を抑えて『機動戦士ガンダム』が1位に輝きました。

 今秋の『復讐のレクイエム』と2025年の万博、そしてジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督の実写版を機に、『機動戦士ガンダム』に触れる人が世界にひとりでも増えることを願ってやみません。

(倉田雅弘)

【画像】え、日本での知名度低い? これが「ガンダム」を名乗っていない「ガンダムの実写作品」です(4枚)

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