「感情グッチャグチャ」ネタバレ解説『グレンダイザーU』第4話 旧作愛と重要な改変点
「4話まで観てほしい」その言葉の意図とは

スタッフによる旧作リスペクトがスゴいということで、往年のファンは安堵したことと思います。しかし、本作『グレンダイザーU』から視聴した新規のファンはどう思っているのでしょうか。
今回の第4話で筆者が真っ先に思ったのが、これまで大した出演シーンのなかったナイーダというキャラクターに、どれだけの新規ファンが感情移入できたかという点です。ナイーダに感情移入するには、これまでに積み重ねがなかった点が気になりました。
これに関していえば、昔のロボットアニメ作品は基本的に1話完結で、登場するゲストキャラとは基本的に一期一会であり、1話だけの印象で勝負していたという点を考慮すべきでしょう。そう考えると、昨今のような数話かけてキャラクターに深みを持たせるという手法ではありません。往年のファンにはこれでいいと思いますが、新規である世代はどう感じたのでしょうか。
もっとも往年の手法だけではなく、近年の手法も巧みに取り入れられていると感じる部分もありました。それが今回限定で使われた特殊エンディング「愛のうた」です。歌は「ナイーダ・バロン」名義で、そのCVを担当した佐倉綾音さんによるものでした。この曲のMVはYouTubeに上がっており、公式HPから観られるようになっています。
こうした新規ファンにもうれしい手法で、新旧両方のファンへの配慮がされていると感じました。今後の展開にも期待大です。
以前、Xで福田己津央監督が「4話まで観てほしい」というポストをしていました。それはこの第4話まで観て、今後の作品のクオリティと方向性を感じてほしいという意図だったのではないかと思われます。筆者的には『グレンダイザーU』スタッフの、旧作への惜しみない愛を感じました。
一方「旧作から改変された点」でもっとも良かったと感じた部分は、ナイーダに責められた時のデュークの心境です。原典ではこれによりデュークは錯乱状態に陥りました。ところが今回はナイーダの言葉を受けながらも、前向きな言葉で逆に説得しています。
これまでのデュークはどこか後ろ向きな言動が多く、その代わりに男らしさを見せた「兜甲児」の株が上がっていました。今までのデュークの言動を見ていたら、ここでまた落ち込むのかと心配になったところです。
ところが、ここでデュークが前向きな発言をしたことで、これからは主人公として期待が持てると感じました。そうした点でも「4話まで観てほしい」という福田監督の発言の意図が伝わります。
といったところで、大いに盛り上がりを見せた『グレンダイザーU』第4話でした。次回第5話のサブタイトルは「マリアが来た!」、旧作でも屈指の人気キャラクターだった「グレース・マリア・フリード」の登場です。なんだか最後の予告でマリアに全部持っていかれたと感じたのは筆者だけでしょうか。
(加々美利治)