『ボトムズ』の最終回って覚えてる? 主人公補正の究極「キリコ」の辿った運命とは
死なない男、キリコ・キュービィーが最後に選んだ結末

ワイズマンとは肉体のない意志だけの存在で、惑星「クエント」の古代文明時代に発生した新人類――「異能者」たちの成れの果てです。異能者は身体能力と知能が極めて高く、その力をもって全銀河を統治しようと目論んでいましたが、結局成し遂げることはできず、以降はワイズマンとして文明を裏から操っていました。
実は「ギルガメス」と「バララント」の二大勢力を生み出した張本人でもあり、闘争のなかから新たな異能者が生まれることを期待して、人類に絶え間ない戦争を仕掛け続けてきたのです。その結果、誕生したのが、次世代の異能者ともいうべき体質をもつ人物……すなわち主人公のキリコでした。彼が数多の死亡フラグをへし折る「フラグブレイカー」であることには、理由があったのです。
そしてキリコを自分たちの後継者にしようと目論んだワイズマンは、アニメ第48話「後継者」で直接、接触を図り、自分たちの代わりに宇宙の支配者になるよう話を持ち掛けます。当然キリコはこの話を断るものと思うかもしれませんが、「喜んであんたの後継者になろう」と快諾するのでした。
では、物語はどのような形で決着がつくのでしょうか。最終話「流星」でキリコは、ワイズマンが思ってもいなかった行動をとりました。後継者となる処置をしようとあらわになったワイズマンの電子頭脳に次々と銃弾を撃ち込み、破壊したのです。それまで仲間たちに冷たい態度を取っていたのも、全てはワイズマンを欺くための作戦であり、キリコは最初から後継者になる気など、さらさらなかったのでした。
そして全てに決着をつけたキリコが選んだ道は、「戦いがある限り利用される」がゆえに「戦いのない世界」へ行くことでした。心から愛する「フィアナ」とともに冷凍カプセルに入り、永遠ともいえる眠りについたところで、物語は幕を下ろします。
しかしキリコの戦いはこれで終わりません。皮肉にもこのTV版が人気作となったことで後年OVAが制作され、1994年に発売されたOVA『装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端』では、32年間のコールドスリープから目覚めたキリコが新たな戦いに足を踏み入れる姿が描かれています。OVAはそれ以降も『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』『装甲騎兵ボトムズ 幻影篇』と発売され続け、同作の世界は広がっていきました。
どんな窮地に陥っても必ず生き残る男、キリコ。いかなるピンチを乗り越え、死線をくぐり抜けていったのか、あらためて足跡を辿ってみると面白いかもしれません。
(ハララ書房)







