「弱そう」と言われたデザインだけではない? ライダーマンが昭和ライダーで異質だったワケ
現代だからこそ高い評価を得るライダーマン

いわゆる「平成仮面ライダー」シリーズでは、昭和の頃にはなかった要素がいくつか組み込まれたといわれています。
そのひとつが、作品のなかに複数の仮面ライダーがレギュラーとして活躍するシステムでしょうか。主人公のライダーが、いわゆる「2号ライダー」や「3号ライダー」と呼ばれるポジションのライダーと、一緒に戦うのが定番です。これは昭和と違って、作品ごとに「違う世界観」だからというのが大きな理由でしょう。つまり作品を超えて過去のライダーが出ることは、基本的にはありません。
劇場版といった、お祭り展開のみが例外でしょうか。むろんメモリアルとして過去の主人公ライダーが登場する展開は、皆無ではありません。しかし、基本的に作品外のライダーの共演がないゆえに、作品内に複数のライダーがいるという建付けになっているのでしょう。
そう考えると、ライダーマンは昭和の時代に平成作品のようなシステムを成していた唯一無二のヒーローだったといえるかもしれません。そして、このことがもうひとつの平成ライダーの特徴と合致します。それが異なる正義を持っているがゆえに、ライダー同士が戦うことになる、「ライダーバトル」でしょう。
ライダーマンは悪役ではありませんでしたが、主人公であるV3とは異なる価値観を持っていたため、争うこともありました。複数回にわたって繰り返されたお互いの信じるもののために戦うさまは、現在ではライダーシリーズの定番展開のひとつです。
このほかにも強引な接点かもしれませんが、右腕の「カセットアーム」を状況に応じて交換して戦うスタイルも、現代のライダーのフォームチェンジの元祖とも考えられるでしょう。また完全な改造人間でなく、強化服をまとった人間という点も共通項かもしれません。
こうして振り返ってみると、ライダーマンと21世紀以降のライダーとの共通点は多く、現在の時代が求めたヒーロー像だった可能性もあります。ライダーマンというヒーローが理解されるには、時代が早すぎたのかもしれません。
ちなみにこのライダーマンに関して、実は変身前の「結城丈二」が21世紀以降にリブートされたことがありました。それが映画『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』に登場した、別の世界の結城丈二です。この映画には本来の世界に近い世界のライダーマンも登場していますが、彼とは別人ということになっていました。
ここで結城丈二を演じたのが、TV版『ディケイド』と映画の主題歌を担当したGACKTさんです。当初はマスクをかぶらず、レザースーツとサングラスのみのライダーマンとして出演を検討されていたとのことでした。そのため、本編のライダーマンのカットは後から取り足したものだったそうです。
こういったリブートは賛否が分かれるところだったでしょうが、ライダーマンという存在は時代を超えて新しいことに挑戦できる役だったのかもしれません。「ライダーマン/結城丈二」というキャラクターの持つ背景や設定は、現代だからこそ高い評価を得られるヒーローなのでしょう。
平成以降の仮面ライダーは、主人公以外ライダーとしてカウントされないということが定番化した現在、ライダーマンは唯一無二の冠番組を持たない仮面ライダーです。デザインだけで甘く見られる存在ではないということです。
(加々美利治)





