『ワンピ』シャンクスが腕をなくした本当の理由って? 「答えかも」な考察とは
マンガ『ONE PIECE』は、30年近い歴史のなかで、ときにはストーリー設定の矛盾を指摘されることもあります。しかし、なかにはファンの鋭い考察によって、その矛盾が解消されることもありました。
第1話の矛盾が解決される?
最終章が連載中の『ONE PIECE』は、1997年から続く超長編マンガです。30年近い連載のなかで、ファンからストーリー上の矛盾ではないかと指摘される部分もありますが、それを解消する鋭い考察もたびたび話題になってきました。
『ONE PIECE』第1話は、幼少時代の主人公「モンキー・D・ルフィ」と、彼の恩人であり憧れの存在でもある「赤髪のシャンクス」とのストーリーが中心です。
第1話の後半、山賊「ヒグマ」の怒りを買い、海上に放り投げられてしまったルフィは、「近海の主」と呼ばれる「海王類」に襲われます。そのとき、ルフィを助けるためにシャンクスが登場しました。シャンクスは鋭い眼光で、近海の主をにらみつけ「失せろ」というひと言で追い払います。しかし彼はルフィを助けた代償として、左腕を食われていたのです。
それから10年後、成長したルフィは、シャンクスのような海賊になることを夢見て、故郷の「フーシャ村」を出航します。そこへ近海の主がふたたび現れルフィを襲いますが、修行を重ねたルフィは必殺技「ゴムゴムの銃(ピストル)」を繰り出し、近海の主を一撃で仕留めたのでした。
この展開に対し、一部のファンのあいだでは長年「物語序盤のルフィが一発で仕留められる程度の実力の海王類に、ルフィよりもはるかに強いシャンクスが腕を奪われるのはおかしくないか」という疑問の声があがっていました。確かに、10年前のシャンクスと物語序盤のルフィとでは、その実力にかなりの差があるはずです。ネット上では、この矛盾を解くファンの考察も話題になっています。
その考察は、シャンクスがルフィを助けた際、なんらかの理由で「覇気」を使えない状態にあったのではないか、という仮説です。たしかに、作中ではルフィが「ギア4」を使ったあとに約10分間覇気がいっさい使えなくなってしまうなど、覇気の過剰使用による反動が生じている場面もあります。
ルフィと同じように、まだ若かった当時のシャンクスも何か大きな戦闘をした後で、しばらく覇気が使えない状態に陥っていたのではないでしょうか。シャンクスは自身の覇気が使えず不利な状態にあると分かっていても、ルフィを助けるために近海の主に挑んだのかもしれません。また、そもそもシャンクスは覇気の回復を待つために1年以上もフーシャ村に滞在していたのではないか、という説にも、多くのファンが驚きの声をあげています。
シャンクスの覇気が凄まじいものであることは、作中でもたびたび描かれてきました。コミックス45巻434話では、「白ひげ海賊団」の船員たちが、シャンクスの放つ覇王色の覇気を前に、気絶していく場面が描かれています。
さらにコミックス104巻1055話では、「海軍大将」のひとり「緑牛」に向かって、海上から覇気を放ち威嚇する場面も描かれました。シャンクスがこれほど強力な覇気を使うにもかかわらず、彼ににらまれた近海の主が気絶しなかったことも、上記の考察で納得できます。
この考察に対しネット上では「これもう答えじゃない?」「近海の主は『失せろ』というシャンクスのシンプルな気迫に怯えていただけだったのかも。覇気が使えない状態だったのが正解かもね」など、矛盾点を解消する視点を評価する意見が多く見受けられました。
そのほか、別のファンからは「シャンクスの腕には『天竜人の紋章』的なものがあって、それを消すためにあえて腕を食わせたのでは?」と、たびたびうわさになっている「シャンクスは天竜人出身」説とからめた考察も出ています。
納得できる考察がいくつかありつつも、シャンクスの行動の真相はまだ明らかではありません。今後の展開で明かされるのを、期待したいところです。
(LUIS FIELD)