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サンライズ作品『ザンボット3』『ガンダム』『ダイオージャ』の意外な共通点とは?

槍の登場はスポンサーのご執心?

「ビームジャベリン」は、ビームサーベルの柄を伸長し、刃の部分をビームで形成する。「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0用武器セット」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
「ビームジャベリン」は、ビームサーベルの柄を伸長し、刃の部分をビームで形成する。「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0用武器セット」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 そして1979年から1980年にかけて放送された『機動戦士ガンダム』にも「ビームジャベリン」として槍が登場しています。第11話「イセリナ・恋のあと」で「アムロ」が安全弁の解除法を発見して使用可能となり、同話では「ガンダム」が敵輸送機「ガウ」の翼の上を歩き回りながら、ジャベリンで翼を切り裂く光景が展開されました。

 一見するとシュールな場面にも見えますが、マンガ『機動戦士ガンダム フラナガン・ブーン戦記』(ヒーローズ)第2話「イセリナ出撃す」では、ジオン側から見たガンダムがガウの翼を切り裂くシーンがどれほど恐ろしいのかが描写されています。一読の価値はあるので興味のある方はぜひご覧になってはいかがでしょうか。

 なお、後続の作品でもジャベリンは使用されており『機動戦士ガンダム UC』では「ビームサーベル」を受け止めた「ジュアッグ」に対し、「ジムIII」がジャベリンを用いて装甲の貫通に成功しています。ソードと比較してエネルギーを一点に集中できるジャベリンは、状況によっては有効な装備であることを示したシーンといえるでしょう。

 しかしなぜ、これらのロボットは、必須とはいえない槍を装備していたのでしょうか?

 その理由として、上記に挙げた3作品は、すべておもちゃメーカーの「クローバー」(1983年倒産)がスポンサーだった点が挙げられます。クローバーは何故か槍に執着があったようで、特にガンダムのジャベリンについてはクローバー側の要望で取り入れられたことが後に明かされています。

 1979年の末に発売された「機動戦士ガンダム DX合体セット」には、作中に登場しないオリジナルの槍斧「ソード・ジャベリン」が付属しており、異彩を放っています。マシン本体よりも大きな武装は見栄えがするのも、クローバーが槍にご執心だった要因なのかもしれません。子供は、大きくて強そうなものが大好きという考え方は、決して間違いとはいえないのですから。

(早川清一朗)

【画像】ご立派な獲物をお持ちで…こちらが「ダイオージャ」ほか当時の主だった槍使いロボの面々です(8枚)

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