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「連載再開」を待ち続けて20年以上の作品も… なぜか長期休載しても“許される”マンガ3選

さまざまな事情で休載に入るマンガ作品はたくさんあります。その休載期間の中には、30年以上にわたるものも……。それでもファンが信じて待ち続けている代表的な3人の漫画家をご紹介します。

自分の命が尽きる前にどうにか完結を見届けたい!

原作マンガの新装版『CLAMP PREMIUM COLLECTION X』1巻(KADOKAWA)
原作マンガの新装版『CLAMP PREMIUM COLLECTION X』1巻(KADOKAWA)

 昨年10月に発売された「週刊少年ジャンプ」(集英社)の45号にて、冨樫義博先生によるマンガ『HUNTER×HUNTER』の連載が再開されました。およそ1年9カ月ぶりの再始動ということで、待ちに待ったファンは大喜びしましたが……その2か月後、同誌にて再び休載が発表に。しかし、理由が「深刻な腰痛」ということで、冨樫先生は自身の公式Xでも手術を受けたことが公表されていました。

「冨樫仕事しろ」というネット用語も存在するものの理由が理由なだけあり、「また休載か」という思い以上に「早く完治して続きを描いてほしい」というのがファンの総意です。冨樫先生にはゆっくり休んでもらい、近いうちに連載再開してほしいものです。

 他にも、長期休載しているにも関わらず、ファンが信じて待ち続けている作品、漫画家が存在します。『カードキャプターさくら』や『XXXHOLiC』などで知られるCLAMP先生の代表作『X』は、「月刊ASUKA」(KADOKAWA)にて1992年に連載を開始されました。世紀末の東京を舞台に、地球の命運を賭けた超能力者同士の戦いが紡がれ人気を博しましたが、2002年に休載に入ります。

 マンガ情報誌「ぱふ」2004年7月号のインタビューによると、連載休止の原因は阪神淡路大震災や神戸連続児童殺傷事件、また他にも猟奇的な事件が起こったことや、それに付随する論争と世相により、CLAMP先生が思い描く展開でオチをつけるのが難しくなったからだそうです。

 上記した通り、本作は「世紀末」を題材にしていることから、東京のビル群が倒壊したり、登場人物がショッキングな死に方をしたりと過激な描写があります。「描写が難しい」と出版社が判断するのも納得はできますが、やはりラストまで描いてほしいというのがファン心です。

「結末は必ず書きたい」とCLAMP先生自身も述べていることから、「いつか、いつか……」と信じて待つしかありません。

 鮮烈で美しい独自の絵柄で絶大な人気を誇る高河ゆん先生も、代表作『LOVELESS』を長期にわたって休載中です。「月刊Gファンタジー」(スクウェア・エニックス)にて2001年に掲載をスタートさせ、翌年に「コミックZERO-SUM」(一迅社)へと移して連載していましたが、2016年に休載が発表されて以来、そこで止まっています。

 その前にも何度か休載を挟んでおり、高河先生は自身のブログにて体調不良だと語っています。ただ、高河先生は『LOVELESS』以前に、1988年に「月刊ウィングス」(新書館)にて発表した『源氏』も今現在“30年間休載”状態にあります。

 完結させていない作品がありながらも、次々と新しい連載を始めていることから、ファンから不満の声が上がります。しかし、高河先生の唯一無二の美しい絵柄で、物語の結末を見たいというのもファンの切実な思いでしょう。

 タイトルに「長期休載が“許されている”」とつけましたが、正しくは“信じている”のです。長期休載を挟んでも復活した作品が多々あることから、希望を捨てずに信じて待つしかありません。

(米田果織)

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