ぐちゃっと潰される両目に「ヒェ」「観る人選ぶね」 令和じゃ“完全アウト”な過激アニメ
コンプライアンスが重視される昨今、TVの放送規制は年々厳しくなる一方です。しかし、まだまだ規制がゆるかった時代、過激なエログロ描写で話題となったアニメもありました。
思わず目を背けてしまう過激描写が話題に

TVの放送規制は、年々厳しくなる一方です。近年では、『鬼滅の刃』でキャラクターがお風呂に入るシーンまで「本当に描写するのか!?」とネットニュースになるほど話題になりました。ところが、今より規制がゆるかった時代、過激なエログロ描写で注目を集めたアニメもありました。
2002年から2005年にかけて「週刊ヤングジャンプ」(集英社)にて連載された、岡本倫先生による『エルフェンリート』は、偶発的事故により研究所から逃げ出した突然変異体の少女「ルーシー」が、逃走の末流れ着いた由比ガ浜で「コウタ」と出会うところから展開し始めます。
研究所にて大勢の人間を殺して脱走してきたルーシーは、逃げる際に頭部を撃たれた影響で記憶を失っていました。「にゅうにゅう」としか話せなくなった彼女を「にゅう」と名付けたコウタは、従姉妹の「ユカ」から提供された住処の「楓荘」へと連れて帰り、一緒に暮らし始めます。
しかし、研究材料を失った研究室長の「蔵間」がルーシーを放っておくわけがなく、特殊部隊SATへ捜索を依頼します。「人間兵器」の異名を持つSATの「坂東」に見つかり、にゅうは連れ去られてしまうのですが、逃げ出そうとして頭を打ったことでルーシーの人格が覚醒してしまい……。坂東は右腕を切断、左腕は折られ、両目を潰されてしまうのでした。
この頃のアニメは規制がゆるく、切った断面図から臓器や骨がはっきり見えるというグロテスクな描写もありました。さらに、子供が犬を殴り殺すシーンやいじめ、差別といった「胸糞」展開もあり、見る人を選ぶ作品になっています。
ただ、そんなバイオレンスな描写の裏には、社会問題へと訴えかける内容が詰まっており、ラストまでの怒涛の展開では「感動しすぎてヤバい」「泣ける」「これは絶対に最後まで見るべき作品」という評価もあがっています。
2008年2月にアニメシアターXで放送された『Mnemosyne-ムネモシュネの娘たち-』もまた、暴力的かつエロティックな描写がありつつ、社会問題と仮想世界への依存をテーマとした内容も含まれる作品でした。
新宿に事務所を構える「麻生祇燐(あそうぎ りん)」と「ミミ」を中心に描かれる本作は、1話完結型で全6話が放送されます。不老不死であるふたりが数百年に渡ってたくさんの人びととの出会いと別れを繰り返し、さまざまな事件や人間関係に巻き込まれることによって、彼女たちの生き様が浮き彫りになっていきます。
ふたりが不老不死なのを良いことに、1話のなかで何度なぶり殺されることか……。最も酷いのは拷問死で、サディストの「山之辺沙耶羅」に捕らわれてしまった燐は、体のいたる部分にピアスを開けられます。下半身に開けられたピアスには鎖が取り付けられ、それを引っ張りなじられるシーンは、思わず目を背けたくなるほど残虐なシーンでした。
そういったシーンが多数登場するなか、第4話では震災によって現実で生きる希望を失い、仮想世界に依存し長時間接続することで衰弱死するという社会問題が中心に描かれました。
偶然にも、劇中の時代は「2025年」です。現実でも、SNSやオンラインゲームによる依存やトラブルは、社会問題として深刻な影響を及ぼしています。当時はファンタジーとして見ていましたが、今見てみると「AIが感情を持って、現実の人間に恋をして、2次元の世界に連れ込もうとする」……なんてことが、いつか本当に起こるかもしれないと思わされる内容になっていました。
(米田果織)