不倫と托卵のダブルパンチっておいおい… 視聴者を騒然とさせたアニメの「NTR」展開
フィクションの世界では、誰かのパートナーが別の人物に奪われてしまう「NTR(寝取られ)」展開が描かれることがあります。人物関係のスパイスになる反面、あまりの胸糞悪さから心を抉られるファンも少なくありません。
アニメ史に残るトラウマ必至の「NTR」展開

フィクションのなかで描かれる恋愛模様は、何も順風満帆なものばかりではありません。ときに誰かのパートナーが別の人物に奪われてしまう、いわゆる「NTR(寝取られ)」展開が描かれることもあります。特にその描写が映像化されたアニメで見ると、想像以上にエグさが増すものです。
有名どころでいえば、TVアニメ『ベルセルク 黄金時代篇 Memorial Edition』の第13話はあまりにも衝撃的でした。2012年より公開された映画3部作をTV放送用に再構成したこの作品は、主人公「ガッツ」の生い立ちから青春時代を描いた、いわば始まりの物語です。実力を見出されて傭兵団「鷹の団」に加入したガッツは、そこで女剣士の「キャスカ」と出会い、やがて恋人関係に発展しました。
ところが団長「グリフィス」が魔に染まり、かつての仲間を生贄に捧げて転生を企てます。迎えた第13話「反撃の誓い」では、その儀式「蝕(しょく)」が描かれました。グリフィスの手によって阿鼻叫喚の地獄絵図が巻き起こり、さらに彼はガッツの目の前で愛するキャスカを凌辱してみせたのです。
怪物に押さえつけられ、最愛の人が犯される様子を見届けるしかないガッツの表情は絶望というほかありません。なお2013年に公開された映画版は、刺激の強い肉体損壊と性愛描写がみられるとの理由からR指定に区分されています。
名作ケータイ小説をアニメ化した『王様ゲーム The Animation』でも、衝撃的なNTRシーンが描かれていました。この作品は24時間以内に「王様」からの命令を遂行しないと罰が与えられるデスゲームを巡るサスペンスホラーで、かつて「モバゲータウン」に掲載されていた原作は、総閲覧数4000万PVを突破した人気作です。
同作のNTR展開が描かれたのは、アニメ第3話のことでした。「王様」から主人公「金沢伸明」の親友である「橋本直也」に対して「本日中に性交しないと焼身自殺の罰」という命令が下されます。ちょうどそのとき直也と伸明、さらに伸明の交際相手「本多智恵美」の3人が居合わせていたタイミングで、しかも日付が変わるまで残り10分という状況でした。
リミットが差し迫るなか、伸明はふたりを別の部屋に連れ出して命令を遂行するよう促します。親愛なる友人を助けるために、愛する人を差し出す……。伸明本人が促したこととはいえ、その決断に至るまでの葛藤は計り知れないでしょう。
火星を舞台としたSFバトル作品『テラフォーマーズ』もまた、有名な「NTR」描写がある作品のひとつです。問題のTVアニメ第8話では、ドイツ・南米第5班の班長である「アドルフ・ラインハルト」の過去がひもとかれていきます。
アドルフは8歳のときに両親を手術の失敗で亡くし、以降は軍によって実験動物扱いされるという壮絶な過去の持ち主です。そうした生い立ちから人生に絶望していたアドルフですが、最愛の妻「ローザ」と出会ったことで人生に光が灯り、人間らしさを取り戻します。
しかし結婚後、産まれた子供に自身の遺伝子が引き継がれていないことが発覚。つまりローザは別の男性と関係を持ち、その子供を授かったのです。まさかの不倫と托卵のダブルパンチには、当時の視聴者から「嫁がクズすぎる」「さすがに絶許案件」といった声が集まっていました。
(ハララ書房)