今の40~50代が「キャー」 記憶にこびりつく映画『ドラえもん』のトラウマシーン3選
国民的アニメ『ドラえもん』は、多くの子供たちに愛されていますが、そのなかでも子供の心に刻み込まれた衝撃的な「トラウマシーン」があるのでご紹介しましょう。
「どんなお話だって人間が最後は滅びるんだよ」

子供の頃に親しんだアニメのなかに突然登場するグロテスクなシーンやショッキングなシーンは、観る人のトラウマになりかねません。国民的アニメ『ドラえもん』の劇場版にも、そのような場面がいくつもあります。
シリーズ第5作『ドラえもん のび太の魔界大冒険』(1984年公開)は、不気味な見た目と性質を持つ魔族が次々と登場し、魔界を進むのび太たちに襲いかかる作品です。
なかでも魔物「メジューサ」は、頭からヘビを無数に生やしたインパクト抜群のルックスと、相手を石に変えてしまう恐ろしい能力、そしてパラレルワールドの魔界から時空を超えて現実の世界まで「のび太」たちを追いかけてくる尋常ではない執拗さで、観客の子供たちを恐怖のどん底に突き落としました。
タイムマシンのある机の引き出しからメジューサが飛び出してきて、逃げるのび太と「ドラえもん」を石に変えてしまう場面の絶望感たるや、まさにトラウマものでしょう。
シリーズ第9作『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』(1988年公開)は、「西遊記」をモチーフにした作品です。
特に恐怖を与えたのは、のび太とドラえもんが過去から現代の自宅へ戻ってきた場面でしょう。のび太とドラえもんはママの料理をおいしそうに食べますが、ママは「今日はのびちゃんの大好きなカエルとヘビよ」と言い放ちます。さらに「パパの大好物」として食卓に出したのが「トカゲのスープ」でした。
ラーメンの鉢に青いスープとグロテスクなトカゲが姿煮の状態で入っているショッキングなビジュアルに、恐れおののいた子供も多かったでしょう。
現代は妖怪によって変えられてしまっており、ママもパパも妖怪になってしまっていました。優秀な出木杉くんが学校で「どんなお話だって人間が最後は滅びるんだよ」と冷静に語る場面も地味に怖かったです。
シリーズ第20作の『ドラえもん のび太の宇宙漂流記』(1999年公開)は、宇宙を舞台にのび太たちが冒険を繰り広げます。
宇宙のはるか彼方で宇宙少年騎士団の「リアン」と宇宙船で旅をしていたのび太たちは、とある惑星に着陸します。ところが、そこにあったのは見慣れた学校の裏山であり、温かな我が家でした。大喜びで帰宅したのび太は、ママの手料理を食べようとしますが、「神樹の実」によってママとパパの正体が不気味な怪物であることが判明します。
「ジャイアン」や「スネ夫」たちも怪物によって食べられかかっていましたが、間一髪でのび太たちが救出しました。ここは自分たちの町ではなく、怪物が訪れた者を騙して捕食する「眩惑の星」だったのです。
何本もの触手をうねらせる不気味なビジュアルもさることながら、「家に帰りたい」という子供たちの願望を逆手にとる怪物の恐ろしさに背筋を凍らせた人も多かったことでしょう。
子供にとって両親は何よりも大切な存在です。それだけに自分を守ってくれるはずの両親が、いつの間にか化け物にすり変わっているシチュエーションは、何よりも恐ろしいでしょう。
安全地帯であるはずの家にまで怪物がやってくるのも、とても恐ろしく感じます。映画『ドラえもん』のトラウマシーンは、子供の普遍的な心理を巧みに突くことで出来上がっているのです。
(大山くまお)




