「ハリウッド実写化」発表後に音沙汰ないアニメ 「もうすぐ10年」「意外にアリかも」
『ONE PIECE』や『名探偵ピカチュウ』など、日本で制作されたアニメやマンガ、ゲームが海外で実写化されることも珍しくなくなりつつあります。しかし、莫大な時間と資金を要するためか、発表から数年経っても音沙汰がないケースがあるのも事実です。
あれ、意外に海外制作なら良い気がするぞ?

国内外で高い人気を誇るアニメ『機動戦士ガンダム』は、2021年4月にハリウッドでの実写映画化が発表され、コンセプトアートまで公開されていました。その後監督を含めた制作体制の変更も報じられるなか、2025年4月に映画『マダム・ウェブ』『恋するプリテンダー』などで知られる女優シドニー・スウィーニーさんに対し、主演として出演交渉を行なっていることが明らかになっています。
このように、ハリウッドでの実写版制作が発表されながらも、数年にわたって音沙汰がないケースは珍しくありません。なかには10年以上の歳月が流れた例もありました。
●『ソードアート・オンライン』
突如閉じ込められた次世代型VRゲームの世界から抜け出すため、ゲームクリアを目指す主人公「キリト」と仲間たちの冒険を描いたアニメ『ソードアート・オンライン』(原作:川原礫)は、2016年にハリウッドでのドラマ化が発表されています。
現時点ではNetflixが配信権を取得、脚本はマンガ『銃夢』(作:木城ゆきと)を原作とする映画『アリータ:バトル・エンジェル』を手がけたレータ・カログリディスさんが担当、『トップガン マーヴェリック』など数多くのヒット作にたずさわるスタジオ「Skydance Television」による制作が発表されている状態です。
実写化発表直後は不安視する声もありましたが、「バーチャル世界がメインだし、海外のCG技術でやってくれた方がむしろ期待できるかもしれない」「映画じゃなくてドラマだし、変にカットされずにしっかり最初からやってくれたらうれしい」と期待する意見も少なくありません。
国内では2017年に公開された『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』は海外でも100万人を超える観客を動員するヒットを記録しており、もしドラマ化が現実のものとなれば、さらなる世界的ヒット作となることでしょう。
●『STEINS;GATE』
2009年に5pb.(現、MAGES.)より発売されたアドベンチャーゲーム『STEINS;GATE』は、タイムトラベルを題材としたストーリーで人気を集めている作品です。2011年にアニメが放送、2013年には劇場版アニメも公開されています。
本作は発売から10周年の企画のひとつとして、2020年にハリウッドでのドラマ化が発表されました。現時点では『ソードアート・オンライン』と同じ、Skydance Televisionが企画制作を担当することが発表されています。
ヒロインのひとり「牧瀬紅莉栖」を演じた声優の今井麻美さんが、「え??エイプリルフールじゃなくて???」と公式X(旧:Twitter)に投稿しているように、本作の実写化には多くの人から驚きの声が見られました。
本作は2010年代の秋葉原が舞台で、一昔前のネットスラングや都市伝説が登場するなど独特の世界観を描いていることも特徴のひとつです。海外で実写化されることで「あの雰囲気が失われるのではないか」と懸念する声がある一方、「アメリカナイズされた『シュタゲ』の実写版もアリっちゃアリ」「そういう『世界線』のものとして観るなら悪くなさそう」と、ポジティブな反応も出ています。
ちなみに、本作の原作者である志倉千代丸さんは、2023年5月に「過去に民放で実写版を制作する企画が立ち上がり、主人公『岡部倫太郎』役のキャストはジャニーズ事務所(現:SMILE-UP.)という条件を提示された。悩みながらも当時事務所に所属していた長瀬智也さんをリクエストしたが却下。最終的に企画そのものが立ち消えとなってしまった」という旨の出来事を、Xで明かしていました。実現には至らなかったものの、この話にファンからは「絶対面白くなってただろうから観たかった」と、企画の立ち消えを惜しむ反応も続出しています。
●『フルメタル・パニック!』
1998年に刊行されたライトノベル『フルメタル・パニック!』(作:賀東招二)は、秘密組織「ミスリル」に所属する傭兵「相良宗介」が、ヒロイン「千鳥かなめ」の警護任務のため同じ高校に潜入する日常を描いた作品です。ミリタリー色が強い本格的なアクションと、日常のドタバタコメディーの要素が調和している点が魅力であり、4期にわたってTVアニメも制作されました。
本作は2009年にハリウッドで映画化に向けた企画が見られるとの報道があり、制作会社「Mandalay Pictures」が映画化の権利を取得、主演候補としては、当時映画『ハイスクール・ミュージカル』で大ブレイクしていたザック・エフロンさんが有力と言われていました。
しかしその後、実写化に関する情報は出ておらず、「結局頓挫したのでは?」と諦めているファンも少なくありません。ただ、「学園ものと世界情勢を交えたシリアスパート、ハリウッド制作ならわりと実現できそう。少なくとも日本でやるより期待できる」「最新技術でガッツリアクションパートを再現してほしいからいつまでも待つ」という声もあり、公開に希望を持つ人も少なからずいるようです。
(田中泉)
