「伏線か?」と騒がれるも単なる誤植で「タイミングが…」 ジャンプ史に残る珍事件3選
読者をザワつかせた誤植事件や、「城之内死す」を彷彿とさせるネタバレ予告など、これまで「週刊少年ジャンプ」では、さまざまな珍事件が発生しました。これから紹介する3つの事件を覚えていますか?
「何か理由が?」と思ったら?

これまでアニメ界隈ではさまざまな珍事件が発生しましたが、実はマンガ界隈も負けていません。いまとなっては笑えるハプニングが目白押しで、「週刊少年ジャンプ」(集英社)だけを見てみても、さまざまな珍事件が挙げられます。
※アニメ化前の『呪術廻戦』「仙台結界」編の内容に触れています。ネタバレにご注意下さい。
2025年7月に最新映画の公開を控える『鬼滅の刃』(作:吾峠呼世晴)では、とある誤植が界隈をザワつかせました。作中屈指の人気キャラクターである「煉獄杏寿郎」といえば、鬼殺隊最高位剣士集団「柱」のひとりで、「炎の呼吸」の使い手です。
ところが上弦の鬼「猗窩座(あかざ)」との最終バトルで杏寿郎が最後に放ったのは、「火の呼吸 奥義『玖ノ型・煉獄』」でした。その少し前には蟲柱の「胡蝶しのぶ」が「『火の呼吸』はありません」と発言しており、杏寿郎もそれまでずっと炎の呼吸を使っていたのにもかかわらずです。
なぜ奥義だけ「火の呼吸」だったのか、杏寿郎は何かしら秘密を抱えていたのではないか……。連載当時ファンの間で大きな注目を集めることになりました。結局ただの誤植ということが判明し、「いや誤植だったんかーい!」「あまりにもタイミングが悪すぎる(笑)」とツッコミが続出したのは言うまでもありません。
2024年に完結を迎えた『呪術廻戦』でも、ちょっとした珍事件が起こりました。ことの発端は、特級術師「乙骨憂太」が活躍する「仙台結界」編です。
第174話では長らく休眠状態にあったゴキブリの特級呪霊「黒沐死(くろうるし)」が目を覚まし、乙骨の前に立ちはだかるという展開が描かれました。両者が対峙したところで幕を閉じ、ふたりの戦いは次回に持ち越しとなりましたが、なぜか誌上の次回予告にて「黒沐死を撃破した乙骨」と大胆にネタバレしていたのです。
当時ネット上では、かの有名なネタバレ予告「城之内死す」みたいだと話題になります。そして渦中にいる黒沐死は予告通り、次のエピソードであえなく撃破されました。
少し毛色は異なるものの、『ニセコイ』の人気投票企画でも「ジャンプ」史に残る事件が起きています。連載開始1周年を迎えた当時、その記念として第1回キャラクター人気投票が行われました。
トップ3に「小野寺小咲(おのでら こさき)」「桐崎千棘(きりさき ちとげ)」「鶫誠士郎(つぐみ せいしろう)」がランクインするなか、第4位のマリーこと「橘万里花(たちばな まりか)」に注目が集まります。彼女の獲得票数は2694票、うち1500票はひとりの読者によって投じられていたようで、マリーの掲載コメントに「私一人に1500票手書きで送ってくださった、千葉県のYさんに特別な感謝を…」と驚きの一文がつづられていました。
しかも翌年の人気投票でも「千葉県のYさん」は大健闘し、マリーが千棘を退けて2位にランクインするという番狂わせが起こります。これには『ニセコイ』の公式アカウントも「『あの方』の熱意が奇跡を生んだ…!」と反応していました。
ちなみに「千葉県のYさん」の海よりも深いマリー愛はさらなる奇跡を起こし、原作最終話ではマリーのお見合い相手として、「千葉県在住の…」と名前がほのめかされるシーンが登場します。読者を驚愕させた一連の出来事は、もはや事件というよりドラマに近いかもしれませんね。
※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記
(ハララ書房)