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「最高視聴率36.9%」って勝てるかーい! 強すぎる「裏番組」に泣かされた良質アニメ

優れたストーリーに豪華な製作陣、さらには人気マンガを原作に持つ、そんな大ヒットを予感させるアニメであっても、強力すぎる裏番組に視聴率を奪われ、思わぬ苦戦を強いられることがあります。TVの視聴率が絶対的な指標だった時代、不運に見舞われたアニメ作品にスポットを当ててみました。

よりにもよって高視聴率アニメが裏番組に

1974年のアニメ『宇宙戦艦ヤマト(第一作)』を最終話まで収録した、「宇宙戦艦ヤマト1 DVD MEMORIAL BOX」(バンダイビジュアル)
1974年のアニメ『宇宙戦艦ヤマト(第一作)』を最終話まで収録した、「宇宙戦艦ヤマト1 DVD MEMORIAL BOX」(バンダイビジュアル)

 アニメ作品の評価は、その内容だけで決まるものではありません。どれだけストーリーや演出が秀逸でも、放送枠の「裏番組」が強敵すぎると視聴率の面で苦戦を強いられてしまうことがあります。では、これまでどのような作品が裏番組の壁に泣かされてきたのでしょうか?

 代表的な例が、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』です。いまでこそSFアニメの金字塔として知られていますが、初回放送時は視聴率に伸び悩み、大きな壁に直面していました。

 1974年10月から日曜日19時30分の枠でスタートした本作は、地球滅亡の危機を救うため宇宙に旅立つ「宇宙戦艦ヤマト」の壮大な物語を描きます。ところが、その裏番組には平均視聴率20%超えを誇る『アルプスの少女ハイジ』が放送されており、強力なライバルとして立ちはだかっていたのです。

 さらに同時期には映画『猿の惑星』の影響を受けたSFドラマ『猿の軍団』も始まり、視聴者の関心が分散されたことも『宇宙戦艦ヤマト』にとっては逆風となりました。『アルプスの少女ハイジ』が同年12月に終了しても事態は好転せず、翌年1月からは『フランダースの犬』が後枠で放送スタートします。こちらも高視聴率を記録し、『宇宙戦艦ヤマト』は最後まで裏番組に恵まれないまま本放送の幕を閉じました。

 時代は1980年代へと移り、今度は『魔境伝説アクロバンチ』が裏番組の強さに苦しむことになりました。1982年5月から水曜日19時に放送された本作は、万能ロボット「アクロバンチ」に乗って世界中を旅する少年たちの冒険を描いたSFロボットアニメです。「アニメ作画界の革命児」と称された金田伊功さんや、「テイルズ オブ」シリーズのイラストレーターとして有名ないのまたむつみさんなど、製作陣の顔ぶれも豪華でした。

 しかし、そうした実力派ぞろいの『魔境伝説アクロバンチ』に立ちはだかったのが、鳥山明先生原作の『Dr.スランプ アラレちゃん』です。同時間帯に放送されていた本作は、最高視聴率36.9%という驚異的な数字を叩き出し、日本中に大ブームを巻き起こしました。その圧倒的な人気に押された結果なのか、『魔境伝説アクロバンチ』はその後、放送時間が17時に変更されています。

 裏番組に苦戦を強いられたのは、SFアニメに限った話ではありません。1990年代には種村有菜先生の人気少女マンガをアニメ化した『神風怪盗ジャンヌ』が、視聴率の面で大きな壁に直面しました。

 原作は累計発行部数500万部を超える種村先生の出世作で、『美少女戦士セーラームーン』に代表される戦う美少女路線に、怪盗もののスリルと華やかさを加えた痛快エンターテイメントです。アニメの放送は1999年2月から土曜日18時28分という視聴しやすい時間帯で、ヒットに必要な条件はそろっていたはずでした。

 しかし同じ時間帯にはCLAMP原作の『カードキャプターさくら』が放送されており、さらにその年の10月からは『HUNTER×HUNTER』が放送スタートしました。どちらも多くの固定ファンを抱える人気作品で、強力なライバルとぶつかってしまった格好です。

 結果的に『神風怪盗ジャンヌ』の放送終了とともに、『きんぎょ注意報!』以来続いてきたテレビ朝日×東映アニメーションによる土曜夕方の女児アニメ枠は終了へ。およそ8年間にわたって続いた歴史にピリオドが打たれることになりました。

※西崎義展の崎はたつさきが正式表記。

(ハララ書房)

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