花沢類にもハッピーエンドが? 本編では描かれない「2番手」たちの幸せな結末3選
その想いは誰にも負けていないのに、恋の舞台では負け役に回る「当て馬」たち。報われない恋に胸を締めつけられ、彼らにもしっかり幸せになってほしい、と願ったファンは少なくないはずです。そうした本編とは少し異なる「もうひとつの結末」が、アニメ版や番外編でそっと描かれていました。
アニメ版や番外編で描かれた、ちょっとうれしい結末

恋愛マンガにおいて、物語を盛り上げる「当て馬」の存在は欠かせません。しかし、その当て馬がいい人であればあるほど、「彼らにも幸せになってほしい!」そう願うファンも多いのではないでしょうか? 実はマンガ本編とは別の形で、当て馬たちの「幸せな結末」がそっと描かれていました。
幸せになってほしい当て馬を語るうえで、やはり『花より男子』(作:神尾葉子)の「花沢類」は外せません。本作は、金持ち名門校に通う主人公の「牧野つくし」が、学園を牛耳る御曹司4人組、通称「F4」とぶつかり合いながらも、たくましく学園生活を謳歌していく青春ラブストーリーです。
類はF4のひとりでありながら、つくしのピンチに必ず現れる王子様のような存在でした。メインキャラである「道明寺司」に勝るとも劣らぬ人気を誇り、「道明寺派か、花沢類派か」は今なお語られる定番の論争です。2005年放送のドラマ版では俳優の小栗旬さんが演じたこともあり、その人気はさらに加速しました。
しかし原作・ドラマ版ともに類の恋は報われず、最後まで誰とも結ばれません。一方で1996年放送のアニメ版は、原作がまだ連載中だったこともあり、第46話から第51話にかけてオリジナルストーリーが展開されます。そこでは類の初恋の相手である「藤堂静」と復縁し、ふたりでパリへ旅立つ結末が描かれました。報われなかった恋にそっと光を差す、もうひとつの物語です。
ヒロインを支え続けながら、その想いが報われなかったキャラクターとして、『僕等がいた』(作:小畑友紀)の「竹内匡史」も挙げられます。本作は平凡な女の子「高橋七美」とクラスの人気者「矢野元晴」の恋模様を描き、竹内は矢野の親友にして幼なじみというポジションでした。
実はかねてより七美に片思いしていた竹内は、矢野が転校先で消息不明になった際も、ずっと彼女の側で支え続けます。やがて社会人になったふたりは交際へと発展するものの、七美の心は変わらず矢野に向いたまま。結局、プロポーズも断られ、ふたりの関係は終わりを迎えました。
原作では、その後の竹内は誰とも結ばれませんでしたが、吉高由里子さんと生田斗真さん主演の実写映画版では、少し違った展開が描かれています。物語終盤、高校時代の友人の結婚式に参列するため、七美が故郷である北海道・釧路を訪れた際、竹内の実家では、七美の同僚で矢野の転校先の友人でもある「千見寺亜希子(演:比嘉愛未)」が彼の帰りを待っていました。
さらに作中では七美が竹内に「待ってるんじゃないの? 誰かさんが……」と茶化す場面が登場するなど、はっきりとは語られていないものの、ふたりの交際がさりげなく示唆されています。
救済エンドが用意されたのは、何も男性キャラだけではありません。『君に届け』(作:椎名軽穂)の「胡桃沢梅(通称:くるみ)」は当初、主人公の「黒沼爽子」と「風早翔太」の仲を邪魔する恋敵として登場しました。くるみは中学時代から風早に好意を抱いており、嫉妬心から爽子を邪険に扱っていたのですが、最終的には良きライバル、良き友だちと言える関係へと変化していきます。
結果的に風早には振られてしまうものの、彼女たちの高校卒業後を描いた『君に届け 番外編~運命の人~』で、くるみはようやく報われる恋に出会います。ちなみに、そのお相手は爽子のいとこ「赤星栄治」です。実は彼は、かつて作者の椎名軽穂先生が描いたマンガ『CRAZY FOR YOU』の登場人物で、当て馬ポジションのキャラクターでした。長年の読者にこそ響く、椎名作品ならではの温かな結びとなっています。
(ハララ書房)

