「打ち切りではなかった」 アニメ版『デビルマン』、ラスボスを倒さなかったのは「戦略」だった?
続編が制作された可能性もあった?

ラスボスと戦うことなく最終回を迎えた『デビルマン』の謎を考察するとき、同じ東映動画作品の『ゲゲゲの鬼太郎』が参考になるかと思います。
1968年から放送された『ゲゲゲの鬼太郎』は白黒作品でした。その後、1971年にカラー作品として第2シリーズが制作されます。実はこの年にはリメイク作品が多く、『新オバケのQ太郎』、『国松さまのお通りだい』、『スカイヤーズ5』といったアニメ作品がカラー化して制作されました。
単純にカラー化するためのリメイクとも考えられるかもしれませんが、現在の放送形態で考えると、これらの作品は第2シーズンといえるかもしれません。唯一の例外となるのが『新オバケのQ太郎』で、声優陣も一新してリメイクの形となっていました。しかし他の作品は声優陣もほぼそのままで、前シリーズの続きという流れになっています。
そう考えていくと、『デビルマン』も第1シーズン終了という考えもあったのかもしれません。特に予定がなくても、完結させないことで続編をいつかスタートさせるかもしれない。……そういった当時ならではの考えでしょう。
後に続編を制作するとしたら、物語の結末まで描く必要はありません。あくまでも筆者の想像ですが、そう考えるとラスボスとの戦いをあえて描かなかった点にも納得できます。ここで参考となるのが『ゲゲゲの鬼太郎』です。
『ゲゲゲの鬼太郎』第1シリーズは特別な展開もなく最終回を迎えています。その後の第2シリーズでは、おなじみのゲゲゲの森に「鬼太郎」の姿はなく、妖怪ポストに大量の手紙があるという状況から始まりました。
「ねずみ男」が鬼太郎を探し出しますが、干物を作って俳句をたしなむという隠居生活をしていたことがわかります。明確なつながりはありませんが、前作の続きをにおわせる展開でした。こうした形で『ゲゲゲの鬼太郎』を復活させたことを考えると、『デビルマン』も後々、復活する可能性もあったのかもしれません。
この説を考える時、日本国内の作品よりも海外作品を見ていくとわかりやすいでしょう。海外で制作された映像作品というと、明確な完結まで描いた作品はあまりありません。これは放送終了後、人気のある作品の続編を制作しやすいからと聞いたことがあります。
これらを参考にすると、『デビルマン』や『ミクロイドS』、『キューティーハニー』は続編を視野に入れての最終回だったかもしれません。実際、放送当時の子供たちの人気は高い作品だったので、その可能性はあると思います。
ちなみに続編ではありませんが、『デビルマン』放送終了後に「マジンガーZ」との共演を描いた劇場版『マジンガーZ対デビルマン』が制作されました。こちらはTVアニメ版の続きを描いたと思われる展開です。
その後、『デビルマン』は何回かアニメ化の機会がありました。しかし、どれもマンガ版の流れをくむ作品ばかりです。個人的には東映アニメ版『デビルマン』の流れをくむ作品も観て見たいと思うのは、筆者だけでしょうか。
(加々美利治)



