「いや、カッコいいけど違う」「細いverもアリ」 体格が原作とかけ離れてた実写化キャラたち
人気マンガやアニメの実写化作品では、キャラクターの再現度が作品の評価を左右することがあります。なかには、原作と比べて体格や雰囲気が大きく異なり、ファンの間で話題になった作品もありました。
「実写化あるある」でも納得の声も?

人気マンガやアニメの実写作品において、登場キャラの再現度は作品の良し悪しを決める重要なポイントになり得ます。なかには、原作に比べ身体つきなどが大きく異なり、話題を集めた作品もありました。
●原作とかけ離れてもストーリーは好評?
新田たつお先生の人気マンガ『静かなるドン』は、昼間はサラリーマン、夜は反社会的組織の総長というふたつの顔を持つ「近藤静也」が主人公の作品です。2023年,2024年には「令和版」として実写版の映画が公開され、伊藤健太郎さんが主演を務めました。
原作の静也は小太りなビジュアルだったのに対し、実写版ではイケメンでスリムなフォルムになり、ファンの間では「さすがに原作を度外視しすぎだろ」「令和版なんだからこれはこれでいい」と賛否が巻き起こりました。
外見だけでなく原作の設定もアレンジされ、静也の勤務先は下着会社からデザイン会社に変更されています。原作の強面な雰囲気はやや薄れていますが、草食系の性格は現代版のストーリーとマッチしており、物語は好評を得ました。コメディータッチの笑いどころとシリアスなシーンのバランスも評判で、原作の魅力を踏襲した新感覚のヤクザ映画に仕上がっています。
●あの人気ゲームの世界観を実写化した話題作
大人気ゲーム「龍が如く」シリーズを原作としたドラマ『龍が如く~Beyond the Game~』は、2024年にAmazon Prime Videoで全6話が配信されました。ゲームの舞台である歓楽街「神室町」で、主人公「桐生一馬」を中心に巻き起こるヤクザの抗争をオリジナル脚本で描いています。
桐生役を演じたのは竹内涼真さんで、役作りで鍛えたとはいえ、ゲームの屈強でゴツい体格とは対照的な スリムで爽やかな印象を与えていました。桐生の特徴的な白いスーツも着用していますが、その姿に違和感を覚える視聴者もいたようです。
とはいえ、地下格闘技の殴り合いシーンや後半に描かれる血みどろな銃撃戦などは大きな見どころとなり、オリジナルのストーリー展開も「ゲームとの違いを逆に楽しめた」「よく6話に詰め込められたな」「真島吾朗の解像度が高くて歓喜した」と好評の意見もありました。
●ビジュアルはイケオジに変わっても描写の過激さは再現度高すぎ?
2018年に公開された映画『愛しのアイリーン』は、『宮本から君へ』『ワールドイズマイン』などで知られる新井英樹先生のマンガが原作の作品です。本作は非モテ男性とフィリピン女性が、お金で買った国際結婚を通じて、壮絶な苦難を乗り越えていく姿を過激に描いています。
主人公「宍戸岩男」は、東北の片田舎で両親と暮らす40代の独身男性で、恋愛とは縁遠い人生を送っており、原作では巨漢で熊のような大柄な見た目をしていました。実写版ではそんな岩男を安田顕さんが演じ、シュッとした標準体型に変わっています。原作同様に無精ひげを生やしていたものの、鑑賞した人からは「イケオジで普通にモテるのでは」「言動は終わっているけど安田さんが渋くて観ていられた」と、むしろ好印象を抱く声もありました。
原作とはかけ離れたビジュアルでしたが、岩男の気弱で屈折した性格や不器用さ、さらには放送禁止用語を叫びながら暴走するシーンまで、原作の岩男を解像度高く演じています。原作の岩男はイノシシの死骸を素手で引きちぎれるほどの怪力を持つ、現実離れした面のあるキャラなので、実写で無理に再現しなくて正解だったかもしれません。また、過激な濡れ場や、血しぶきが飛ぶ銃撃シーン、バイオレンス描写など、原作の世界観を存分に再現している点も見どころです。
(LUIS FIELD)
