「2期、至急頼む！」　良作と絶賛されるも「続編の情報なし」に悲しみの声があがる2025夏アニメ

主人公の成長を描いた2025年夏の人気作品

　夏の放送シーズンが幕を閉じ、秋まで継続する一部の作品を除いた2025年夏アニメが最終回を迎えました。放送後には喜びや驚きの声があがる一方、「最高だった」などと好評を得ながらも続報のない作品に惜しむ声も多く見られます。

※この記事には『薫る花は凛と咲く』『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』『瑠璃の宝石』の終盤の展開に触れています。ネタバレにご注意ください。

　例えば『薫る花は凛と咲く』（原作：三香見サカ）は、隣接しながらも犬猿の仲にある男子校と女子校に通う生徒たちの恋模様を描いたラブコメ作品です。美麗な作画でも注目を集め、特に第8話では、主人公「紬凛太郎（CV：中山祥徳）」とヒロイン「和栗薫子（CV：井上ほの花）」の、水族館デートの様子が原作よりも丁寧に描かれたことで話題を呼びました。

　最終回では、海で薫子に告白した凛太郎が、ふたりきりで話すために夏祭りへ出かけます。そこで薫子の口から、物語が始まる以前にあった凛太郎との本当の出会いが語られ、ふたりはついに恋人同士として結ばれるのです。

　美しい作画に加え、ふたりが少しずつ歩み寄っていく繊細な心理描写も視聴者の心を打ちました。続編の発表はまだないものの、「久しぶりにピュアな恋愛を見て心が浄化された」「内容がタイトル回収になっている構成だったのも好き！　2期、至急頼む！」といった声があがっています。

　また『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』（原作：依空まつり）は、人見知りで「沈黙の魔女」と呼ばれる主人公「モニカ・エヴァレット（CV：会沢紗弥）」の成長を描いた、コミカルなファンタジー作品です。第2王子「フェリクス・アーク・リディル（CV：坂田将吾）」を護衛するため、モニカは生徒「モニカ・ノートン」として名門「セレンディア学園」に潜入します。そして、モニカは学園で交友関係を広げながら、苦手な人間関係を克服していくのです。

　終盤では、モニカが死者を送る祭りに呼ばれ、偶然お忍びのフェリクスと出会います。しかし、ふたりが祭りを楽しむなか事件が発生し、モニカはその解決に奔走することになります。

　予知を得意とする「星詠みの魔女（CV：能登麻美子）」でも未来が読めないフェリクスの素性など、多くの謎を残したまま物語は幕を閉じました。続編の発表はまだありませんが、「最近見たアニメでいちばんクオリティが高かった」「全話通して丁寧に作ってあって、とにかく女性陣かわいい！　早く2期やってほしい」と期待の声があがっています。

　主人公の成長物語としては『瑠璃の宝石』（原作：渋谷圭一郎）も高い人気を集めた作品でした。同作は、宝石に憧れる主人公「谷川瑠璃（CV：根本京里）」が、大学で鉱物学を専攻する「荒砥凪（CV：瀬戸麻沙美）」との出会いをきっかけに、鉱物の世界へと足を踏み入れる物語です。

　最初は憧れだけだった瑠璃も、鉱物について学ぶうちに、人間として大きく成長します。また、鉱物の知識がない視聴者にも分かりやすい解説が随所に挟まれており、「観ているだけで勉強になる」と評判を集めました。

　最終回では凪と同じ研究室に通う「伊万里曜子（CV：宮本侑芽）」が福引で当選した温泉旅行に、仲間たちと出かけます。そして、旅先でも温泉由来の石灰や微粒な隕石など鉱物探しへと挑み、苦労の末に砂埃から微粒な隕石を見つけるのです。最後は、これまでの経験を振り返る瑠璃の成長した後ろ姿で、物語は幕を閉じました。

　原作は現在も連載中ですが、すぐに2期を制作するには残りのストックが少ない状況です。そうした事情もあってか、アニメではひと区切りのついた形で物語が締めくくられました。視聴者からは「ひとつ終わるから次があるという瑠璃の答えに感動した」「いろいろなことが知れてとても楽しく、とても素晴らしいお話でした。2期をぜひ観たい」と好評でした。