なぜ椎茸が「ゲーミング」? 三代目農家が語る格ゲー大会から商標登録の経緯とその後
「ゲーミング椎茸」、商標登録された商品名です。ご存じない方にはなんのことやらさっぱりでしょう。なぜ「椎茸」が「ゲーミング」なのか、その誕生の経緯と現状について、当事者の方に話を聞きました。
格ゲー大会の賞品が「椎茸」だったワケ

商標登録された「ゲーミング椎茸」をご存じでしょうか。
その登録者である、静岡県御前崎市で椎茸農家を営む有限会社丸祐植田製茶の植田有裕さんは、もうひとつの顔を持っています。それは、格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズのオンライン大会「椎茸杯」を主催するゲーム配信者「NAO」としての顔です。
植田さんが「椎茸杯」を始めたのは2018年のことでした。「『ストリートファイター5』(カプコン)に結構打ち込んでいて、オンライン大会にも参加していました。人の輪もつながって、それで恩返しじゃないですけど、自分も大会を運営する側に回りたいなと思ったんです」と当時を振り返ります。
そのころの大会の賞品といえばAmazonギフト券が一般的であるなか、植田さんは自社の椎茸を賞品に据えました。
「なにか面白いものを、というのと、うちで作っているものだったので費用的にも助かるというのもあって」
参加者の反応は上々でした。
「楽しい空気感もあって、優勝者の方が椎茸をアピールしてくれたりして。そうしているうちに、『普通に椎茸を買いたい』という声もいただくようになりました」
3、4回目の開催時には、Twitter(当時。現、X)上で参加者を募集すると10分から15分で満員になるほどの人気ぶりに。やがて1年ほど経った2019年頃から、次第に「ゲーミング椎茸」と呼ばれるようになったとか。
2020年、植田さんは本格的な商品化を決意します。個性的なパッケージのイラストを手がけたのは、2026年現在、講談社「月刊シリウス」で連載中の『転生したらスライムだった件 クレイマンREVENGE』で漫画を担当しているカジカ航(わたる)氏です。
祖父から受け継いだ技術

「ゲーミング椎茸」は、その品質の高さから大いに注目を集めたという面もありました。これを支えるのは「祖父の代から続く栽培技術」といい、水分や湿度の管理を徹底しているとか。「やっぱり椎茸なので、そこが大きいんです。元々、祖父と母がメインでやっていて、いまだに母も携わってくれているので、品質が維持できています」と謙遜します。
パッケージに記された「どんぐりマーク」は、菌床の原料から生産まですべてが国内で行われた「純国産」の証です。「消費者目線での安心につながる目安になるかなと思います」と植田さんは語ります。
その味わいはマンガ家の押切蓮介氏をも唸らせ、「ガチで松茸を超えた椎茸」「椎茸嫌いを黙らせる美味しい椎茸」とコメントしています。押切氏は格ゲーマーでもあり、「椎茸杯」にゲスト実況として参加し、優勝者のキャラクターイラストを描いてくれたこともありました。
「格ゲーマーからの反応はやっぱり大きかったですね。押切先生には一緒にいろいろやっていただく機会が多かったので、ありがたかったですし本当に運が良かったです」







