『ばけばけ』子供ってどっちの国籍になるの?←視聴者心配 八雲が役所で言われたこと、帰化までのややこしい手続きとは
連続テレビ小説『ばけばけ』109話では、ヘブンが自分に子供が産まれることを知り、大喜びして日本に残ることを決めました。しかし、子供の国籍や、彼の帰化の問題が残っています。
錦織、三之丞のモデルも協力

放送中の連続テレビ小説『ばけばけ』第22週109話では、主人公「松野トキ(演:高石あかり)」が子供を身ごもったことを、ついに夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」が知り、大喜びしました。続く110話では一気に半年が経過して子供が産まれるほか、重要な進展もあるようです。
『ばけばけ』110話のあらすじを見ると、「ついに、トキとヘブンの子供が産まれる!可愛らしい二人の子供に、デレデレになる松野家一同。そんな中、正木があることに気づく」と書かれています。ヘブンの生徒「正木清一(演:日高由起刀)」は、いったい何に気付いたのでしょうか。
109話の放送後、視聴者からは「子供って日本国籍になるの?それともヘブンさんの国籍?」「これで帰化の話なるのかな?」といった声が出ており、正木は生まれた子供の国籍の問題があることを指摘すると思われます。
ヘブンのモデルであるラフカディオ・ハーンは、長男・一雄が生まれた1893年11月17日から2年3か月後の1896年2月10日、妻の小泉セツと正式な婚姻関係となり、日本人「小泉八雲」として帰化しました。小泉八雲記念館のHPにあるハーンの人生の年表を見ると、1893年4月の時点で「セツの懐妊を知らされ、帰化を考え始める」と書かれています。
また、ハーンは、一雄が生まれて6日後の1893年11月23日付けの親友・西田千太郎(「錦織友一」のモデル)への手紙で、子供に関して「日本市民にしたいと思っています」と語り、「わたし自身が日本市民になれば、すべてが解決されるでしょう」とも綴っていました。しかし、そこから帰化に至るまでは、さまざまな厄介な出来事があったそうです。
西田への手紙によると、ハーンは熊本に来た1891年11月当初から、役所でセツとの正式な婚姻届けを出そうとしたものの「それは難しい問題で、仮にするにしても、それは東京で手続きをする方が良い」と返事をされたといいます。
そして、ハーンが一雄の出生届を出しに行った際には、役所の係の者から「もしもあなたが、男児を日本市民としておこうとすれば、その子の登録は、母親の名前でのみ行わなければなりません。もしもあなたがその子を父親の名前で申告すれば、その子は外国人になります」という趣旨のことを言われたそうです。
その後、ハーンとセツは正式な夫婦になり一雄に遺産を残すために、神戸にいた1895年の夏頃から各種手続きに動き始めました。
まず、8月にセツが生家・小泉家の分家を立てて戸主になり、当時の島根県知事に「外国人入夫結婚の願い」を出します。また、9月にはセツの私生児ということになっていた一雄の出生届が、生まれたときの届け出漏れを詫びる文言を入れて提出されました。
その後、1896年1月に知事によってハーンとセツの結婚願いが受理され、そこからさらに松江市長に「外国人入夫結婚届」を出して、ハーンはようやく日本人になることができたそうです。そして、彼はセツの戸籍に入り、彼女から小泉家の戸主を相続しました。
こういった煩雑な手続きには、西田や「雨清水三之丞(演:板垣李光人)」のモデルであるセツの弟・小泉藤三郎、その他親戚、知人などたくさんの人の協力が不可欠だったそうです。ちなみに八雲という日本名も、トキの養祖父「勘右衛門(演:小日向文世)」のモデル・稲垣万右衛門が、『古事記』にある日本最古の和歌から考えたものでした。
そして、ハーンとセツは世話になった人びとへのお礼やあいさつ回りのために、1896年の6月に松江へ帰省しています。『ばけばけ』で帰化の話が出れば、また松江に戻る展開も近そうです。
※高石あかりの「高」は「はしごだか」
参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)、『小泉八雲とその妻セツ 古き良き「日本の面影」を世界に届けた夫婦の物語』(KADOKAWA)、『ラフカディオ・ハーン 西田千太郎 往復書簡』(八雲会)
(マグミクス編集部)

