『鬼滅の刃』アニメ続編はTVか映画か? 最もありえる形の、悩ましい問題とは
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が大ヒットし、社会現象にもなっている『鬼滅の刃』。2020年12月にコミックス最終巻が発売される原作の続編は、TVアニメか映画か……どのような形で、どこまで映像化されるのでしょうか。
『鬼滅の刃』単行本は23巻で完結
劇場版も大ヒットを続けている『鬼滅の刃』ですが、吾峠呼世晴先生による原作マンガはすでに全205話で完結を迎えています。単行本最新刊である22巻には188話から196話までの9話分が収録されており、2020年12月4日(金)に発売される予定の23巻で残りの9話分を収録し終え、日本一優しく哀しい鬼退治は終幕を迎えるのでしょう。
23巻分の物語の内、TVでは「竈門炭治郎 立志編」として7巻の途中まで、劇場版「無限列車編」では8巻の途中までがアニメ化されており、原作はあと14巻と半分ほどが残っている計算になります。まだ発表はされていませんが、日本の邦画史に残る歴史的な大ヒットを打ち立てた作品の続きを、アニメ化しないなどありえません。当然企画は動いており、あとはいつ発表するか、タイミングを計っているだけでしょう。
ただ、仮にTVアニメ2期を制作する場合、原作のどの部分までを映像化するかが問題となってきます。
TVアニメは基本的には「クール」という単位で制作・放送されます。1クールは13話、4クールで52話となりますが、これは1年間がほぼ52週間で構成されているためです。つまり、1クールは四半期のことを指しているのです。とはいえ確実に13話なのかといえばそうではなく、制作体制の問題やお正月特番を放送するため話数を減らすなどさまざまな理由があり、TVアニメの1クールは10話から12話くらいで制作されることが多くなっています。『鬼滅の刃』のTVアニメ1期が2クール26話をすべて制作しきれたのは、制作会社であるufotableの優秀さを示しているのです。
「無限列車編」以後の鬼滅の展開は、「遊郭編」「刀鍛冶の里編」「柱稽古編」「無限城編」「最終決戦編+その後」(いずれも仮称)の5つに分けられます。原作の残り分量から考えて、TVアニメで放送するには約4クール分の話数が必要になります。もし2期が1期と同じ2クール構成の場合は、それぞれ単行本3巻半ずつの分量がある「遊郭編」と「刀鍛冶の里編」をそれぞれ1クールで放送すれば、原作の使用量は1期とほぼ同等となります。この形がもっともありえる形でしょう。