『超音戦士ボーグマン』放送から33年。ファンに愛された紅一点のバトルヒロイン
1988年4月13日は、TVアニメ『超音戦士ボーグマン』の放送が開始された日です。前年の『赤い光弾ジリオン』に続くセガ提供の作品で、キャラクターデザインはマンガ『サイレントメビウス』『彼女のカレラ』で知られる漫画家・麻宮騎亜氏の別名義である、きくちみちたか(菊池通隆)氏が務めました。
主人公たちが「社会人」という設定が斬新だった
当時、中学生だった筆者は、購読していた『アニメディア』の広告ページを見つめながら、もだえ苦しんでいました。そこには『超音戦士ボーグマン』のレーザーディスクVol.3の予約特典が、アニス・ファームの等身大ポスターであると書かれていたのです。
しかし当時の筆者はレーザーディスク本体を持ってはいませんでした。何千円も払って見ることができないディスクを買って、ポスター1枚を手に入れるなど中学生には無理な話。泣く泣くあきらめることにしたのです。このときの判断を、筆者は今でも後悔しています。
さて、アニス・ファームが登場した『超音戦士ボーグマン』は、1988年に放送が開始されたセガ提供の「バトルスーツもの」作品です。1999年に4つの隕石が東京に落下して壊滅してから31年後の2030年、東京湾上に建設されたメガロシティを舞台に、主人公の響リョウ、チャック・スェーガー、アニスの3人がバルテクターと名付けられたバトルスーツに身を包み、人類の脅威である謎の敵「妖魔」と戦います。
本作の大きな特徴としては、主人公たちは教師として日常生活を送っている点が挙げられます。当時のアニメでは主人公は学校の生徒であることが多く、「社会人が主人公」という設定は、斬新なものだったのです。
妖魔の脅威にさらされた際には学校の校長、メモリー・ジーンのサポートでバルテクターを転送してもらい、ボーグマンへと変身します。この装着シーンが実に格好いいのですが、アニス・ファームに限っては、アニメの歴史に残るレベルの描写が存在していました。
バルテクターの胴体から胸部下部分を装着するときに胸が盛り上がる、いわゆる乳揺れ描写です。このような描写はTVアニメでは初めてと言われており、その後の作品に極めて大きな影響を与えています。
正直こんな描写を中学生時代に見せられたらたまりません。おかげで筆者は当時から今に至るまでアニスのファンで、キャラクターデザインを務めた麻宮騎亜氏が近年同人誌で出版したアニス本「アニス・イン・ワンダーランド」も当然購入しています。たぶん、この先も心のどこかにアニスが住み続けているのでしょう。