マグミクス | manga * anime * game

『ルパン三世』イメージが変わる、意外な5つの誕生裏話「ルパンは長髪」

ルパンの緑ジャケットのヒミツ

●ルパンのジャケットは赤? 緑?

 ルパンのトレードマークといえば細身の身体にフィットしたタイトなジャケットですが……そのジャケットの色といったら何色を思い浮かべますか? 原作マンガでは赤ジャケットなのですが、宮崎駿監督で大ヒットした映画『ルパン三世 カリオストロの城』の緑ジャケットが印象的という人も多いことでしょう。

ではなぜ『カリオストロ』では原作と違う緑になったのか? 実は今から50年前にスタートしたアニメ『ルパン三世』第1シリーズで着ていたのも緑ジャケットだったのです。当時の映像技術の問題で、ブラウン管では赤はにじんでキレイに見えないので発色のいい緑になったのだそうです。この第1シリーズには中盤から演出で宮崎駿監督が加わっており、映画『ルパン三世 カリオストロの城』も第1シリーズを踏襲しているため、緑ジャケットとなったようです。 

●峰不二子は浮世絵から生まれた!?

 ルパンファミリーの紅一点・峰不二子は、おしとやかで慎ましい女性像が良しとされていた60年代にさっそうと現れた、美しくカッコいいヒロインです。男性は胸ときめかせ、女性にとっては憧れの存在となりました。

 モンキー・パンチ先生がイメージしていたのは映画『007』シリーズのボンドガールだそうですが、それにしては名前がいかにも日本的ですよね。実はこのネーミング、女性キャラの名前を考えていた先生がたまたま目にした浮世絵カレンダーからヒントを得たもの。「霊峰不二」の文字にピンときて、そこから「峰不二子」と名づけたのだそうです。掛かっていたカレンダーが違うものだったらまったく別の名前になったかもしれませんね。日本人離れしたビジュアルに純和風な名前の組み合わせは、『ルパン三世』の多国籍的世界観と見事にマッチしています。

●銭形とルパンの掛け合いはあの2匹とそっくり!?

『ルパン三世』の世界には、作者モンキー・パンチ先生が子どもの頃から大好きだったというアニメの要素が取り入れられているそうです。それは1940年に第1作が作られたアメリカの短編アニメ『トムとジェリー』。ネコのトムが、ネズミのジェリーをつかまえるためにあの手この手で追い回すも、賢いジェリーにいつも痛い目に合わされてしまうコミカルなアニメです。日本版の主題歌では「♪トムとジェリー なかよくけんかしな……」と歌われましたが、その様子は確かに、銭形警部とルパンの関係にそっくりです。銭形がトムでルパンがジェリー。追う者追われる者の関係ながら、時には友情や親愛の情まで感じてしまうのは、ふたりが永遠になかよくけんかしているからなのかもしれません。

(古屋啓子)

【画像】『ルパン三世』のアニメ史を一気に振り返り(6枚)

画像ギャラリー

1 2