機動戦士ガンダムの神回「ジャブローに散る!」 …シャアとアムロ、真の戦いの始まりだった
1979年10月20日に放送された『機動戦士ガンダム』第29話「ジャブローに散る!」は、ジオン軍の猛攻をかろうじてくぐり抜けて連邦軍の根拠地であるジャブローに到着したホワイトベース隊が、後を付けてきたシャア・アズナブルらによる大規模な攻撃に遭うというエピソードで、数多くの名シーンが描かれています。
膨大な数の名シーン
42年前の今日、1979年10月20日は、『機動戦士ガンダム』第29話「ジャブローに散る!」が放送された日です。ジオン軍の猛攻をかろうじてくぐり抜け、連邦軍の根拠地であるジャブローに到着したホワイトベース隊でしたが、28話でミハル・ラトキエがもたらした情報をもとに後をつけられ、シャア・アズナブル主導による大規模な攻撃を仕掛けられてしまいます。
空中から降下するジオンの大規模なモビルスーツ部隊や、RGM-79ジムをはじめ迎撃にあたったホワイトベース隊などによる激しい戦闘は数多くの印象的なシーンを生み出しており、『機動戦士ガンダム』屈指の名作回と言えるでしょう。
いま改めて「ジャブローに散る!」を見返し驚かされるのは、作画の力の入りようです。特に序盤、ジャブロー入港直前に舞い上がった蝶の群れは実に見事な描写で、29話のために集ったスタッフの実力の高さと力の入りようが伺えます。ジャングルを切り裂くようにして基地への侵入口が現れるシーンも、「ついに重要な拠点にたどり着いたのだ」と、ひと目でわかる重厚さを感じさせるものでした。
ドラマの部分も入念に構成されており、傷ついたホワイトベースの修理に現れたウッディ大尉は戦死したマチルダ・アジャン中尉の婚約者で、マチルダ中尉を救えなかったことを謝罪するアムロに対し、「戦いはガンダム1機で勝てるものではない」とたしなめます。愛する人を失い傷ついているはずなのに、表には出さず冷静沈着さを保ち自らの職務を全うする。ひと癖もふた癖もある登場人物のなかで、ひとりの職業軍人として誠実かつ真面目に振る舞ったウッディ大尉の姿は、ひときわまぶしく映ります。
しかしこの時、シャアはすでにジャブロー攻撃に備え準備を進めていました。シャア専用の赤いズゴックに新型モビルスーツのゾック、先遣隊のゴッグ2機、そしてガウ攻撃空母の大編隊に搭載された大規模なモビルスーツ部隊が、ジャブロー攻撃のために続々と集結しつつあったのです。